見出し画像

新型コロナウイルスに関連した詐欺に注意しましょう。

こんにちは、筑豊の弁護士、藤岡です。

新型コロナウイルスの蔓延にともない、これに便乗した詐欺が増えています。

今回は、今どんな詐欺が流行っているのか、その背景や詐欺被害にあわないための注意点などについてお話します。

※ この記事は2020年5月31日時点のものです。

どんな詐欺が発生しているの?

2月から3月にかけてはマスクの品薄状態にかこつけて「マスクを格安で販売します!」などといって偽のサイトに誘導し、クレジットカード番号や銀行口座などを不正に取得する詐欺が横行していました。

政府が布マスクを配布する政策を打ち出した後は、保健所などの行政機関の職員をかたって個人宅に電話をかけ「マスクを配布します、家族構成を教えてください。」などといって個人情報を聞き出そうとする手口も登場しています。

今爆発的に増えているのは給付金・助成金に関連する詐欺です。行政機関の職員を装って個人宅を訪問し「給付金の支給に必要だから」などといってマイナンバーやクレジットカード番号、銀行口座を不正に取得するといった手口です。

厚生労働省はLINE株式会社と協力してLINEユーザーを対象に「新型コロナ対策のための全国調査」を行っています。自分のところにもメッセージが届いたという方も多いのではないでしょうか。これに便乗した詐欺も起きています。公式メッセージにそっくりなデザインのメッセージを作成してこのアンケートを装い、クレジットカード番号などの個人情報を入力させるというものです。

なぜ、今詐欺が増えているの?

なぜ、今詐欺が増えているのでしょうか。それは今詐欺業者にとって都合の良い環境が整っているからです。

詐欺業者が用いるのは私たちの「不安」です。新型コロナウイルスの蔓延によって社会は大きな変化を求められ、それに伴い私たちも様々な不安を抱いています。「自分も新型コロナウイルスに感染するのではないか」、「マスクがなかなか買えない」、「自粛続きで収入が減った」、「給付金の申請は難しくないだろうか」「将来どうなってしまうのだろう」などなど。

この不安に詐欺業者は付け込みます。「この商品を使えばウイルスを除菌できますよ」、「マスクを安く提供しますよ」、「政府からこんな給付金が出ますよ」、「私が申請をお手伝いしますよ。」などと不安にかられる私たちに甘い言葉をかけ、お金や個人情報などを奪っていきます。

このように社会的な耳目を集める政治問題、社会問題、大規模災害が生じると、それにともなって詐欺も増えます。これは大きな社会の変動によって私たちが不安を抱き、詐欺業者がその不安につけこんで人をだまそうとするからです。東日本大震災や九州北部豪雨のときも関連する詐欺が大量に発生しました。社会全体が大きな不安を抱いている今は詐欺が横行しやすい状況にあるのです。

詐欺被害にあわないためにはどうすればいいの?

(1)自分も狙われていると自覚し、心構えを!

今は詐欺が横行しやすい環境がそろっています。いつ、どこで、どんな形の詐欺にあうか誰にも予想はできません。「自分は大丈夫」と楽観的に考えるのではなく、まずは「自分も狙われているはずだ」と自覚することが大事です。

(2)今どんな詐欺がはやっているのか知る。

詐欺に関する情報をあつめ、「詐欺のパターン」を知っておくことも被害に遭わないために大事な対策の一つです。

新聞やテレビのニュースでどのような詐欺が発生しているか日々報道されています。また、国民生活センターはホームページで実際に起きた詐欺の具体的事例を紹介しています。

その他、警視庁警察庁福岡県警も新型コロナウイルス関連の詐欺について注意を呼び掛けています。

(3)自分一人で悩まない。

詐欺業者は、我々の「不安」に付け込んできます。人は不安を抱いている状態だと冷静に判断することが難しくなってしまいます。ですから「あやしいな」と思ったら、その場ですぐに決めてしまうのではなく他者に相談することが重要です。他者に状況を説明することで自分の状況を客観的に把握できるようになりますし、時間をおいて考えることで冷静に判断をすることができます。

相談する相手は家族でも知人でも構いませんし、もよりの警察署や消費生活センターでも構いません。特別定額給付金に関連する相談については、国民生活センターが「新型コロナウイルス給付金関連消費者ホットライン」(☎0120-213-188)を開設しているのでここに電話するのも効果的です。

「詐欺被害にあってしまったかも」と思ったら

「詐欺被害に遭ってしまったのではないか」と思ったら、すぐにもよりの警察署(警察相談専用ダイヤル「#9110」)や消費生活センターに相談しましょう。福岡県弁護士会でも詐欺に関するご相談を承っております。一人で悩まずにお早めにご相談ください。

【関連記事】
「法務省管轄支局」と称する団体からの架空請求詐欺が増えているようです。
弁護士vsヤミ金
弁護士の法律相談を上手に利用するコツをお教えします【相談者向け】
法律相談の時、弁護士が聞きたいと思っていること【相談者向け】

サポートをお願いいたします。 他のクリエイターさん達への投げ銭に使いたいと思います。