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【書評】ぱやぱやくん『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』--自分たちを批判する人たちを守りたい

 まずタイトルに惹かれた。飯は食えるときに食っておく、寝れるときは寝るって、なんだそりゃ。
 この本には筆者が陸上自衛隊で得たライフハックが色々と書いてある。訓練も辛いし、災害派遣も辛い。その時に、アドレナリンに任せて頑張りすぎると心が折れる。だから早め早めに休息を入れるのが大事だ。
 泣き言を言うのもいい。あるいは『ルパン三世』の次元よろしく、「面白くなってきやがったぜ」なんて言葉を吐いて、目の前の現実からちょっと距離をとるのもいい。
 逆に折れやすいのは、自分は強いと考えている人だ。強いと思っているから休みも取らないし、泣き言も言わない。困っても人に頼らない。ストレスを溜めに溜めて、そこで折れてしまう。
 あるいは理念で動いている人だ。たとえば愛国心に燃えすぎて自衛隊に入ってくると、理想と現実のギャップに押しつぶされる。むしろ仕事を始める時には、お金を貯めるため、ぐらいの動機でちょうどいい。
 自衛隊を批判する人たちをどう思うかという話も興味深かった。筆者は言う。自衛隊についてあれこれ言う人がいる社会は良い社会だと。他国に攻め込まれ占領されて自由も奪われたら、自衛隊を批判することもできなくなる。だからこそ、自衛隊を批判する人たちがいるこの社会を守りたい、と。これはなかなか言えることじゃない、と感心した。

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