雑談こそ職場の宝
皆さんは”雑談”と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?職場における典型的なサボりの一種と思われる人も少なくないのではないでしょうか。もし、そのように思っている方がいらっしゃれば、そんな考え方はすぐにでも捨てて頂き、考え方を改めて頂きたいと思います。本日はそんな内容です。
では雑談とはなんなのか。それはアイディアやクリエイティブが生まれるプロセスです。ビジネスでは定型的なワークフローばかりを回していても決まりきったアウトプットしか出ませんが、たまにイレギュラーな業務に取り掛かると新しい発見に気づかされるといった経験をされた人は多いのではないでしょうか。それと同じです。雑談には決まったパターンというものはなく、基本的にイレギュラーが折り重なってできるコミュニケーションです。そんな雑談を繰り返すと、沢山の新しいアイディアはクリエイティブに気づかされることになります。
ここで重要なのが、”イレギュラーが折り重なった雑談”という点です。過去に沢山繰り返された様な挨拶に毛が生えた程度の雑談や、中身のない雑談には意味がありません。その場その場でアドリブを重ねた雑談にこそ意味があります。例えるなら、片思い中の人と突然二人きりになった場合、その場を少しでも盛り上げる為にアドリブをフル活用して会話を盛り上げてコミュニケーションを楽しんだ経験はないでしょうか。そんなイメージです。
以前、こんなツイートをしました。
私は職業柄、様々な企業さんのオフィスに訪問させて頂いていますが、元気のある会社ほど職場に雑談を生む工夫をされていることが分かります。それがどんな職場か、おそらく多くの人が想像するのはグーグルの様な職場ではないでしょうか。
こんな職場で働けたら、生き生きと働けて、生産性を高められそうですよね。でも、こんな桁違いの職場を作れるのは世界のトップ企業だからであって、普通の企業では真似できません。では、現実的な範囲で上手な職場作りができて雑談を生み出している会社はどこでしょうか。実は、グーグルの様な大きなIT企業ではなく、日本が世界に誇る自動車業界でもありません。答えはツイートに書いている通りオフィス家具メーカーです。オフィス家具メーカーは家具だけ作っているわけではなく、職場環境そのものをデザインして、アイディアに満ちたクリエイティブな職場を作っています。グーグルの様な派手さこそありませんが、ちょっとしたアイディアで職場に雑談を発生させています。
例えば、某オフィス家具メーカーには無料で使えるコーヒーメーカーがあります。そしてそのコーヒーメーカーのすぐ近くに大きなスタンディングテーブルがあります。誰もが何となく無料のコーヒーを取りに来て、何となくスタンディングテーブルでコーヒーを飲む、ここで雑談が生まれます。無料のコーヒーマシンだけあっても駄目で、スタンディングテーブルだけあっても駄目なのです。この二つが共存することで、効果的に雑談を生み出すことができます。これ以外にも、大きなMacが置いてある様なデザイナーさんの固定席の隣には誰でもちょこっと座れる様な椅子を置いて、誰もがデザイナーさんと気軽に雑談できる様な工夫をされていたりします。
では、在宅勤務ではどうでしょうか。在宅勤務をされてれいる人は、オフィスに通勤していた時と比べて人と会話する機会が大幅に減ったと実感されているかと思います。そんな人にこそ雑談は必要かもしれません。そんな時は「雑談(誰でも歓迎)」という名称のリモート会議を作って、そこで待っていましょう。待つと言っても、もちろん仕事をしながら誰かが参加してくるのを待つだけです。そこで誰かが参加してくれたら、相手に合わせた雑談をしましょう。貴方だけでなく、相手にとってもとても有意義な時間になること間違いありません。ちなみに私は毎日30分は「雑談」という名称の枠を設けているのですが、多い時は20人位の人が参加してくれて、私が口を挟む隙が無いことも珍しくありません。それだけ、皆が雑談に飢えていると言うことかと思います。
繰り返しますが、雑談とはアイディアやクリエイティブを生むプロセスです。雑談の無い職場には新しい発見やイノベーションはありません。黙々と業務をこなし続けるだけの職場には魅了もありませんよね。そして、そんな雑談を生む工夫はちょっとしたことで実現できます。先行投資もほとんど不要だったりするので、是非挑戦してみてください。
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