無名の中小企業がSNSで3000フォロワーを達成。その結果まとめ。
ウェブ担当者通信でひっそり発行している私の個人的なメルマガで、うちの会社(零細企業)のSNS活用の結果について書いたところ、運営堂の森野さんが「これ表に出さないの?」と言ってくれまして。
私の仕事ってお客さんの守秘義務もあるため、あまり表に出せないノウハウが多いのですが、今回は自社の事例ということで、じゃぁ出そうかなと。
せっかくなら個人noteで始めてみようかなとも思い立ち、今回、初投稿します。
6ヶ月程度でインスタ3000人、Twitter700人フォロワー超え
去年1年間、SNS活用に危機感を感じたうちの会社でも、有名なコンサルの方にも入ってもらったりして、いろいろ試してみました。
主に「WordPressプラグインQA ヒートマップアナリティクス」のプロモーション目的で行い、結果としてはTwitterフォロワー数は700強、インスタフォロワー数が3000を超え、投稿すればいいねも100を超える感じでした。
で、結論なんですけど。
SNSは「各個人の興味」が支配する世界
法人アカウントはまず無理
SNSアカウントは新規獲得のツールではない
だと思います。先ほどの数値をみると「あれ、成功したんじゃないの?」と感じる人もいると思うのですが。
それぞれ簡単にご紹介していきます。
1.SNSは「各個人の興味」が支配する世界
SNSって、YouTubeもそうですけど興味のある人の話を聞きたいですよね。
ずっと続くのは「人への興味」であって、「情報への興味」ではありません。これが最も大切で。
例えばうちの会社のSNS活用でも、コンサルの方がスーパー優秀で、フォロワーは3000人以上増えましたので、失敗したわけじゃないんです。
やり方としてはキャラを中心にして興味をもってもらいました。
でも、そうなると、SNSのキャラを継続するための情報発信が必要になり、まぁ運用がとても大変になりました。
じゃぁ自社のビジネスの延長線上で発信できればいいのですけど。
「アクセス解析の内容を毎日発信する、属人性のないアカウント」に興味を持つ人がどれだけいるのか?
まぁいないですよね。
2.法人アカウントはまず無理
ということで、SNSは興味の世界。中の人が目立たない法人アカウントはまず無理です。
シャープなどの成功事例から、法人アカウントで成功したいと思う企業は多いかも知れません。でも属人性を排除したいとか、炎上リスクとかは、全部会社側の都合でしかなく、知らん法人団体に興味がある人って、まぁいません。
SNSでは、まず発信する内容に対して「誰が興味あんねん!」から始めないといけないです。(By ヤナギブソン。関西だけですかね?)
下記の記事でも、同じ指摘がされています。
広告の方が早いことも
そもそも、もし会社のサービスを知ってもらいたいだけなら、下記2つのSNS活用法の方が断然効果があります。
広告でサービスを知ってもらう
自分達のアカウントを有名にするのではなく、自社サービスがシェアされることを目標にする
ちなみに、上記はいまでも継続していて、比較的うまくいっています。
3.SNSアカウントは新規獲得のツールではない
ついついSNSの運用というと、自社アカウントのフォロワーを増やすことが目的になりがちです。じゃぁなんでフォロワーを増やしたいかというと、よくあるケースが新規獲得のための認知向上だと。
でも認知向上であれば、先にあげた広告や口コミ促進などの方が早いという実感です。例えばインフルエンサーさんから紹介されるとか。
ついついフォロワーが増えるのと認知向上(=新規獲得)がイコールになりがちなのですけど。そもそもSNSアカウントは、見る人(オーディエンス)の興味で人と繋がるツールで、「魅せるモノ」がなければ、見られる理由がありません。
芸能界みたいなSNSアカウントの世界
SNSは完全に芸能界みたいなルールで動いています。
たとえば、さまぁ〜ずの大竹さんが伊達メガネをしているのも、印象に残るためだとおっしゃっていましたが。SNSアカウントもそうやってポジショニングを考えたり、魅せ方を考えるという点で、すごくエンタメな世界です。
ですから、うちの経験も踏まえて、フォロワー数を増やしたいのであれば、「なぜ増やしたいのか?」から始めた方がよいと思います。
私の実感ではフォロワー数が増えるメリットはたった1つ「有名になる」ことです。
フォロワー数が多い人は「有名人だ」と思われますし、そのことがさらに興味を持つ人を増やすことに繋がります。有名になる一番の魅力は「チャンスが増える&信頼感が増す&影響力が増す」ということだと思います。
ですから、この路線を狙う人は、芸能人のようにポジションや企画から考えていった方がいいと思います。
先ほどご紹介した記事でも、1万人のフォロワーがついたらいろいろ自社のことを発信する、とありました。有名になることを目的にして、投稿頻度や内容も考えるなど、かなり戦略的なんですよね。
顧客との関係作りで使う
一方、有名になることにこだわらないのであれば「顧客との関係作りで使う」というのはよいと思っています。いまのうちの方針はこちらです。
単純に、自社に縁のある人に対してのコミュニケーションと連絡網的な役割といいますか。
また、連絡網だからといって、フォロワーさんを増やしてはダメというわけではなく。こちらから誰かに絡んだり、フォローして気づいてもらう分にもこの延長線上でできます。
ただフォロワーを増やすために行うのではなく、あくまで興味のある人に気づいてもらうことが目的なところが違います。
まとめ
以上、それなりにお金をかけて1年間取り組んでみた結果を共有しました。
結論ですが、まずフォロワーを増やしても戦略がなければ有名になるわけでもなく、メリットは特にありません。
なので、ほとんどの中小企業のSNS活用において、新規獲得は広告や企画で「SNS上の口コミが増えること」を目的にして、自社アカウントは顧客との関係作りでいいのではないかと思います。
エンターテーナーになる覚悟
とはいえ有名になるメリットっていろいろありますから、もしチャレンジできる人は「エンタメ」にチャレンジしてもよいのではないかと思います。
何かが他の人より上手になったり、伝えられる立場になったなら、多かれ少なかれ「エンターテーナー」になる覚悟で、その道を勉強し始めるのは有意義なのではないかと思います。
先日「さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろか」というTV番組で、ワンピースの作者である尾田栄一郎先生が、世界的な起業家を目指すインド人のファンに向けて、手紙を渡していました。
赤髪のシャンクスファンである彼に対し、麦わら帽子を預け、メッセージはこうありました。
「夢に関しては、ぼくは夢を叶えちゃった人間だから、体験からこんな言葉しかあなたに贈れません。夢は叶います。」
エンターテーナーは、最終的にその人にしかできない尊い職業だと思うのです。
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