日記 2023年2月11日

 ぐっすり眠る。今気づいたのだけど、「ぐっすり」は「Good Sleep」のことなのだろうか。だとすると、ぐっすり+眠るは使い方として間違っているよな、などとどうでもいいことを考える。

 昼過ぎに、妻と出かける。近所の書店に行って、山尾悠子の新刊『迷宮遊覧飛行』と、『ランバーロール』の最新号を買う。池田澄子さんの句、好きだなーとしみじみ。その後、井の頭線に乗って吉祥寺へ。電車の中で岩波俳句の結果が出ていると知り、吉祥寺に着いて真っ先にBOOKSルーエに行く。岩波の月刊誌『世界』の最新号を見ると、拙作が佳作で掲載されている。

バス停の夜霧に浮かぶ赤い傘

いくつか投句したけれど、お気に入りの句ではなくて上記の句が選ばれる。選者は前述の俳人、池田澄子さん。次は特選を目指して頑張ろう。

 その後、馴染みのカレー屋で昼食を食べ、ロウ・イエの新作『シャドウ・プレイ 完全版』を鑑賞。僕がロウ・イエで最も好きな『ふたりの人魚』と重なる部分がありつつも、(ということはヒッチコックの『めまい』が下敷きになっているということだ)『ふたりの人魚』からパーソナルな部分を取り除き、より社会にコミットした作品として、非常に骨太で見応えのある映画だった。本当に、ズタズタにカットされたバージョンではなくて、完全版が鑑賞できてよかったと思う。ロウ・イエのような気骨のある監督は、今の日本にいるのだろうか、と考えてしまう。

 帰宅後、もう一本映画が見たくなり、北野武の『キッズ・リターン』をすごく久しぶりに観る。バイク事故からの復帰作であるこの作品は、なるほど事故前の作品よりも〝生〟を感じる。(とある人物の死が、一応の武自身の死の願望の発露なのだろうか)鑑賞後、死と挫折を描いてこそ青春映画のだと再認識。ちょっと音楽がくどいけど、やっぱり不朽の名作だ。

 1日で映画を二本見るのなんて、いつ以来だろう。休日らしい、良い日だった。映画についてのメモを書きとめて就寝。

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