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神田の料理屋を出て、親友の病院へ見舞いに行くと
大部屋から個室へと引っ越ししていた
久しぶりに実家に帰れるという知らせを受けて喜んでいた
個室へ移動したので、少し心配したけど
一時帰宅を許されたということで安心した

焼津港へ向かう

料理屋の休みの前日にバイク出勤をして、店をあがってからそのまま
バイクを走らせて色々なところに行った
熱海や焼津港など、夜の国道を走らせていると結構あっという間に到着する
だんだんと明けていく空の彩の変化は見たこともなく美しく
朝一の市場などで獲れたての魚介など最高に美味しかった
こんな景色の見えるところに設けられた椅子とテーブルがあって
新鮮な食材を使った料理があったらいいのだろうな…とか
薄っすらと妄想を重ねるのもなかなか楽しいと感じていた

差し入れの弁当

そろそろ親友との約束の3ヶ月も過ぎようとしていたある日
親友の姉から、弟が高熱が出て再度入院することになったと連絡が入った
再入院をするって、そうとう残念がっていた親友を激励するために
久しぶりに見舞いにいくことにした
案内されたところは、ナースセンターから一番近い個室
引き戸を開けるとそれもただの個室ではなく
薄いビニールでベッドのエリアが外から遮断され覆われていた
部屋に入ろうとしたら、靴底を噴霧器で除菌剤のようなものをかけられ
念入りに手の消毒などもしなければいけなかった
異様な風景に少し焦ってしまい、親友に恐る恐る欲しいものを聞いてみた
「美味しい弁当が食べたい!」と即答されたので、近くの弁当屋に出かけた
彼は自分の置かれている状況を全く話さずに、最近の出来事を話してくれた
折り鶴を最近作っているらしく、黙々と鶴を折る様子を見たあと
エビフライ、揚げ物がたくさん入っている弁当を購入し親友と一緒に食べた

料理屋の親父へ相談

父の知人から紹介されたイタリアのローマに行く話は保留にしたままだった
最近の料理屋のルーチーンは身体的にも非常に辛く、
覚える料理も限定的で、疲労で自分で勉強できる余力などなかった
やはり本場を見てみたいのと、この心身の疲労から逃れたいという理由で
少しずつ小出しに料理屋の親父にイタリアに行きたい旨を相談し始めた
決まって料理屋の親父は「俺のところにいたら1年で全部教えてやる」の
一点張りで聞く耳を持ってくれない
確かに言葉もできず料理も知らないでイタリアに行くなど無謀であった
料理屋の親父の言うことも間違ってはいないと思いながら悶々としていた

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