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選べる自由と、選ばなければいけない苦悩【#36何があってもマイペンライ!】

春だ。大学生にとっては履修登録の時期だ。履修登録といえば、9年前を思い出す。

当時は大学3年生。私の通っている大学では、1、2年生と3、4年生で通うキャンパスが変わる。新キャンパスにウキウキしながら、友人たちと時間割を考えていたときのこと。

ある友人が言った。

「あー、時間割考えるのめんどくせえ。全部必修の方が楽だわ」

こいつ、何言ってるんだ?と思った。私は友人の考えが全く理解できなかった。

1、2年生と比べて、3年生からは必修の授業が格段に減る。1、2年生のときは面白そうな授業を見つけても、必修とコマがかぶっていて受けられなかったり、必修が5限に入っているせいでアルバイトが少ししかできなかったりした。

しかし、3年生からは時間割の自由度が一気に増える。好きな授業をどんどん入れることもできるし、週3日に授業をまとめて、週休4日制なんてこともできる。ようやく自分の求めている自由な大学生活を手に入れた気がしていた。

ところが友人は、選ぶのが大変だから、全部必修で決めてもらった方がいい、と言うのだ。これには驚いた。

自由に選べることが人生の醍醐味じゃん。高校生までは俺たち束縛されすぎてたんだよ。成人して、ようやく自由な人生が幕を開けたんだよ!人生楽しもうぜ!!

そう思った。けれど、友人との価値観の違いがあまりにも衝撃で、何も言えなかった。

自由大好き党の党首である私は、今も変わらず自由街道をひた走っている。朝起きる時間から今日何をするかまで、全て自分で決められる自由な生活を謳歌している。

しかし、ここにきて「選べる自由」がやや重くのしかかっている。この数日間で面白そうな仕事を3つも見つけてしまったのだ。そのうち1つは正社員で、2つはアルバイト。アルバイトの掛け持ちはできるかもしれないが、正社員とアルバイトを両方やることは難しい。何より、今年はフリーランスとして挑戦しようと思っていたので、正社員になるということは大きな路線変更を意味する。

答えはまだ出ていない。そもそも受かるとはかぎらないので、取らぬ狸の皮算用ではあるのだが、うーん、どうしよう。このままフリーランスか、アルバイトか、正社員か。どの道も選べる自由はありがたいけれど、悩ましい。いっそ誰かに決めてもらいたい。

依然、自由を愛する私の思想は変わらない。自由大好き党の党首を辞任するつもりはない。ただ、9年前の友人の気持ちが少し分かったような気がして、嬉しい。


※この記事は2024年4月17日にTwitterにて公開したものです。

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