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失敗しない断熱材の選びかた

いままで一般的によく使われる断熱材は
・グラスウール
・吹付ウレタンフォーム
の2種類でした。
これらが全体の7割の住宅で使用されているといわれています。
結論から言うと、家づくりに使うべき断熱材は上記2種類ではなく、「硬質ウレタンフォーム」が最適です

硬質ウレタンフォームとは

硬質ウレタンフォームは、設計図に基づいて工場で作成し、現場で外装と内装の間にはめ込むような断熱材です。
現場で人の手で隙間に詰め込むグラスウールや、吹き付ける吹付ウレタンフォームとは全く異なる新しいタイプの断熱材です。性能と施工性の高さから近年注目されています。

高い断熱性能

断熱材の中には細かな気泡(セル)が詰まっています。
このセルが細かいほど、熱移動の進行が遅くなり、高い断熱性能を発揮します。
下の写真は、現場発泡の吹付ウレタンフォームと工場発砲の硬質ウレタンフォームのセルの大きさを比較した画像です。

左:現場吹付ウレタンフォーム / 右:工場硬質ウレタンフォーム

工場発砲の方がセルが細かいことが分かると思います。
硬質ウレタンフォームを扱う現場では、設計図に沿ってこの硬質ウレタンフォームをはめ込み、その接着として隙間ができないように吹付ウレタンフォームを使用します。
このセルの大きさの差が断熱性能の差につながるんですね。

高い遮水性能

工場で発砲した硬質ウレタンフォームは、管理された環境でセルを作成しているため、セルが崩れにくく湿気を通しにくいように作られています。
断熱材に水分はご法度で、水分を含んだ断熱材はその性能が低下するだけでなく、周囲の木材を腐らせる原因になります。

断熱材が水分を含み、周りの木材を痛めた図

この遮水性能も硬質ウレタンフォームは非常に高いです。
遮水性能が高いことで、断熱性能を維持することができます
隙間が多いグラスウールや、セルが崩れやすい現場発泡ウレタンフォームでは湿気を通し、その湿気が結露することで、年々断熱性能が落ちていきます。

遮水性能のイメージ

家づくりに失敗したくないなら硬質ウレタンフォーム

断熱材は特に性能重視で選ぶべき理由があります。
それは断熱材は家の内装と外装の間に施工するので二度と取返しがつかないからです。
設計図通りに工場で作成するので人的なムラがないのも良いですね。

左:スチールウール / 中央:吹付ウレタンフォーム / 右:硬質ウレタンフォーム

マメ知識ですが、硬質ウレタンフォームが近年注目され始めたのは生産過程の問題をクリアしたことにあります。これまで硬質ウレタンフォームの断熱性の高いセルを作るには温室効果ガスであるフロンを使用する必要があり、硬質ウレタンフォームは環境に悪影響を及ぼす製品でした。
フロンの代替となる発泡剤が開発され、硬質ウレタンフォームは環境にも人にも良い断熱材になったんですね。
参考:硬質ウレタンフォームの発泡剤をめぐる環境問題対策の動向について

小泉社長による解説動画はこちら


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