運は神頼みじゃない

あなたは、何か新しいことをやろうと思った時、

①色々と情報を集め計画を練った上で実行に移すタイプ

②難しいことは考えずにとにかく実行するタイプ

どちらが当てはまるだろうか?

私は、どちらかと言うと①。

よく言えば慎重派。悪く言えば考えすぎて腰が重い。

親父は、比較的逆のタイプで、「とりあえずやってみる」タイプ。

どちらが良い、ということはなくて

やっぱりこの辺はバランスだと思う。

上手くいくかどうかは、運も大きく影響してくる。

だから、大事なのは「自分の行動に納得できるか否か」。

親父が起業した際は、『たまたま、しかも「もの凄く」運が良かっただけ』と、本人の言。

今日は、そんな「運がいい」噺。

法人登記も終わり、「さて、そろそろ何をして金の稼ぎ方を具体的にしていかねばならない」という時期にさしかかってきた頃のこと。

一本の電話がかかってきた。

仕事を通じて知り合ったシンガポール人からだった。

仕事を通じて、と言っても、直接取引したことはなく、

サラリーマン時代の出張時に知り合い、度々食事をする、という間柄の人。

聞けば、久しぶりに会社に電話したら「辞めた」と聞いたので

驚いて電話したのだ、とのこと。

しばらくぶりの電話だったこともあり、ざっくばらんな会話をした後、

「で、どんなビジネスをやるんだ?」と問われた。

「どんな、、、っていうか、まぁ、何でもやるよw」と答える親父に、

シンガポールの友人から意外な言葉をかけられた。

「ちょっとこっちに来れないか?色々話をしたい」

親父の起業後、初の取引は、思いもよらずシンガポールとの取引となった。

また起業してしばらくした後、

サラリーマン時代にはまったく取り扱ったことの無かった種類の機械商材を海外と取引することになった。

だが、未知の分野の商材であるため、当然仕様書や見積書を見ても、

なんのことやらさっぱり分からない。

ましてや、それが英語で書かれているのである。

さすがに専門用語が多過ぎて、辞書を引いてもダメだった。

悩んでいた親父に、またある一本の電話がかかってきた。

サラリーマン時代に世話になったある機械メーカーの人からだった。

またざっくばらんな会話をした後、

「実は、こんな感じで困ってるんですよ・・」という話をしてみた所、

また思いがけない言葉が。

「昔、うちの会社で駐在員が使っていた専門用語集がある。

 こっちまで取りにきてくれるならコレをあげるよ。」

親父の起業後、最初のピンチは、思いもかけない形で全て解決してしまった。

70歳を超えた今でも、親父が口癖のように言うのは、

「俺は運が良かっただけ。」

謙遜ではなく、事実なのだろう。

ただ、それに付随してこんなエピソードもある。

ある取引先の人と商談の後、こんなことを言われたらしい。

「よく、定年退職後になって『雇って欲しい』とか、『個人で事業をしようと思うので仕事をまわして欲しい』と、昔のツテを頼ってくる人が多いが、キリが無いのでそういう話は基本お断りしている。私があなたと取引したのは、ツテも頼らず、57歳という定年を前にして会社を辞める、という勇気ある行動に敬意を持ったからだ。」

運を味方につける為に

もしかしたら、勝負しなければならない「タイミング」というのが

人にはあるのかもしれない。

自分の「勝負」すべきタイミングはいつか?

現状に「流されて」いないか?

「今、この瞬間」をしっかり見つめねば、と思う。

#心配のネジを外した男 #日記 #コラム #エッセイ

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