予想
ひとに関して、予想をするのが好きだ。希望的観測と絶望的観測をたくさんたくさん繰り返して、たいていのことは、そのどちらでもなく、何事もなく日常に帰っていく。
何度も言うように、ぼくの心や脳ミソは、これまでに影響を受けた物語やひとでできている。そんな心や脳ミソから生まれる希望的観測はなかなかすてきにできていると思うんだけど、たまに、それを超えてくるひとがいる。
17さいのころ、「なんでそんなに美人なんですか?」って当時好きだったお姉さんに言った。
「毎日豆乳飲んでるからね」さらりと返されたあのときの、お花畑で天使が輪になって踊っているような気持ち。
あれ以来、ぼくは予想を超えられると、ちょろい。
あれはいつだったかな。もうあんまりはっきりと思い出せないのがかなしいけど。
デートが数日後にせまったぼくは、楽しみだーと好き好きビームを送っても、反応がそっけない。
楽しみにしてるって言ってほしいぼくは、「楽しみ?」と直球を投げる。
「お気に入りのシャツを着て行こうと思っているよ」
白旗をあげたぼくは熱を出して、結局デートは延期になった。
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