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ウーバーイーツと私(????/04/11)

ウーバーイーツで中華を頼んだ。置き配を指定した。玄関先に小さな犬の銅像があるので、その近くに置いてください、とコメントもしておいた。

しばらく経ってアプリを確認したら配達完了となっていたので、玄関を開けて見てみたが、何もなかった。

配達人が間違えて別の家の玄関に置いたのかなと思い、近所の家の玄関を探してみた。すると、数軒先の家の玄関に中華料理が入ったレジ袋が置かれていた。まったく配達人め、しっかり家を確認してほしいものだ、と帰ろうとしたとき、レジ袋の横に、私の玄関先に置いてある小さな犬の銅像と全く同じものが置かれていることに気がついた。へえ、偶然だ、まさか同じ犬の銅像をご近所さんも置いていたなんて、と思い、顔を上げて家を確認した。そこには私の家があった。

え、と驚き、家の位置を確認した。が、しかしそこは私の家がある場所ではない。私の家はここから数軒先にある。つまり、いま目の前にある家は、私の家と全く同じ作りの家なのだ。表札をおそるおそる確認すると、そこには私と同じ名字が記載されていた。

自宅から数軒先に、自宅と同じ家があった。

私は急いで本物の自宅に帰った。何が起きているのかわからなかった。頭が整理できなかった。何も考えないようにしようと、中華を食べてその日はそのまま眠った。

翌日の夕方、夜ご飯の買い出しのためにスーパーに行こうと玄関を開けると、玄関先に見知らぬレジ袋があった。なんだろう、と思い中を覗くと、牛丼が入っていた。

私はそこでハッとした。もしや、この牛丼は数軒先にある、あの家の住人が頼んだ料理を間違えてこっちの家に配達人が置いてしまったのではないか。

ふと、人の気配がした。私は思わず自宅に戻り、玄関の扉を閉めた。

数秒後、扉の先に人間が来た気配があった。扉一枚挟んで、そこに誰かがいた。私はおそるおそるのぞき穴を覗いた。そこには人間の後ろ姿があった。右手に牛丼の入ったレジ袋を持っていた。私の後ろ姿のような気もした、が、自分の後ろ姿などあまり見たことがないので確証を持てなかった。その人間は、あの家の方向に歩いて行った。

この現実はフィクションです日記

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