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図書館での一生(2022/03/19)

午前中は雨が降っていなかったので自転車で図書館に向かった。が、これを書いている現在、外では雨が降り始めている。

ああ、なんてことだろう。私は図書館に閉じ込められてしまったのだ。雨の中自転車に乗って家に帰ることなど私には不可能である。雨に濡れたくないのだ。私は一生この図書館で過ごさなければならなくなった。一生図書館の本を読んで過ごすことになった。この図書館には食事もとれるカフェがあり、そこで一生食事をすることになった。無料で飲むことが出来る水があるのでそれを一生飲むことになった。夜はソファで眠ることになった。貸し出しの毛布があるため、それで暖をとることになった。無料のコンセントで一生スマホの充電をすることになった。コピー機でお気に入りの本のページを印刷することになった。綺麗なトイレを毎日使うことになった。美人で優しい司書さんに世話になることになった。結婚を前提にお付き合いすることになった。キッズコーナーの読み聞かせを一生聞くことになった。そのうち私も読み手になって子供たちの笑顔を見ることになった。手塚治虫の漫画を一生読むことになった。自分の子供が生まれ、ブラックジャックを読ませていいものかどうか妻と相談することになった。老後の心配をすることになった。癌には備えておいた方がいいことになった。死の間際、愛する妻と息子へ感謝の言葉を言うことになった。図書館の高い天井を見て穏やかな最後を迎えることになった。

なんて恐ろしいことだろう・・・・・。想像するだけで頬が緩み、胸の鼓動が早くなってしまうぞ。

この現実はフィクションです日記

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