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女性の目(2022/01/14)

繁華街を歩いていた際、すれ違う20代前半くらいの若い女性の目を5人くらい立て続けに見た。そしてあることを感じた。


「全員同じ形の目をしている・・・・・・!」


なんというか、化粧の仕方? まつげの形? が全員同じように感じたのだ。ぱっちりしていて、黒の比率が多めの目というか。


これはすごい大発見なのではないか? と一人で勝手に嬉しくなる。つまり、現代人は同じような情報を受け取り、ある特定のトレンドの流れに従い、皆似たような格好になってしまっているのではないかという仮説だ。多様性などと謳っているものの、その実態は全員がなんとなく同じようなものを崇め、はみ出し者を叩いてしまう社会なのだ。おお、私は現代社会の無個性的な風潮を女性の目の化粧から見出すことに成功したのではあるまいか! 


よし、ではこの仮説を確かなものにしていこう、ということですれ違う女性の目を注意深く観察することにした。いや待て、私は不審な者ではない。女性の目をじろじろ見てニヤニヤしているわけだが、決して不純な動機で見ているわけではないのだ。一人のアマチュア社会学者として活動しているだけなのである。


私は自分の大発見に興奮しながらもデータを蓄積していった。繁華街ということもあって人通りも多く、すぐにデータは集まった。結果は、


全員ぜんぜん違う目の形をしていた。


あれーー? ぜんぜん違うんですけど。びっくりするくらい化粧の仕方も目の形も違うんですけど。人間の目ってこんなに色んな形をしてるんですか。多様性万歳。


冷静に考えてみれば当たり前の話なのだが、この当たり前のことに辿り着くまでに多大な労力を使ってしまうことが希にある。今回もそれだ。現代人の無個性的な風潮などと格好つけた言葉を並べているが、その実態は、アイドルの顔が全員同じに見えるおっさんと全く同じでないか。ああ、落ち込んだ。


       この現実はフィクションです日記

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