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甘くなくて美味しい(2022/02/14)

私の知人は、スイーツを食べ、その味を褒めるときに毎回、「甘くなくて美味しい」と言う。

私はこの言葉に毎回違和感を抱くのだ。スイーツの優しくて上品な甘さを評価しているのかもしれないが、それ、果たして褒め言葉なんですか? と。

そう感じる理由はおそらく、私が昔海外に行ったときに体験したことが原因だと思われる。現地のスーパーで売られていた、生クリームが上にたっぷり乗ったカップケーキを食べたのだが、それがもう信じられないくらい甘かったのだ。もはや甘いなんて生やさしい形容では済まされないような甘さ。あれは人間のスイーツというよりも、口内の虫歯菌の餌といった方が適切だ。それくらい衝撃的な代物だったのだ。

それと比べると、日本で食べるスイーツというのは、その多くが「甘さ控えめ」なのである。だから「甘くなくて美味しい」という言葉は、全くもって何も言っていない表現のような気がするのだ。甘さ控えめなのは前提であり、そこに差はないのである。例えるなら、生きている人間に対して、「呼吸しているなんて、偉いね」と言っているようなものだ。いや、生きてるんで全員呼吸してますけど・・・・・・みたいな。

ちょっと前にテレビで、芸人の小籔千豊さんが「エビの食レポでプリプリを使ったらおしまい」というようなことを言っていたが、私の場合は「スイーツの食レポで甘くなくて美味しいを使ったらおしまい」だと思うのである。褒めるべきは甘さの度合いではなく、単純に味の質ではないだろうか。

バレンタインでおそらくスイーツを食べる機会が多いだろう諸君。そのスイーツの甘さ、果たして褒めるに値しますかね? 

この現実はフィクションです日記

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