小さな診療所から(9)
10代女性Gさん。アトピー性皮膚炎にて皮膚科受診していたが、著名な改善や増悪のないまま、ステロイド剤を塗り続けていました。
次第に皮膚が、厚く黒っぽくなってきたので、脱ステをしたいと考えていますが、かつて自己判断で脱ステしたところ、症状の増悪を認めたことから、なかなか怖くて踏み切れません。そこで、インターネット検索したところ、「アトピー整体」を見つけ、相談に訪れました。
アトピー整体では、日常生活の様式を聞き取り、セルフケアのアドバイスをもらいましたが、顔面を中心にした赤味が強く、痒みも持続するため、当院での漢方処方と刺絡療法を併用することを勧められて来院されました。
受診時の問診から、糖質の過剰摂取が症状を増悪させていることが推測され、糖質制限の食事指導を行い、採血検査から、不足が目立つ栄養素をサプリメントで補充する方針としました。
また顔面の強い皮疹に対しては、石膏を強めた漢方の処方を行い、消炎を計りました。併せて、首から肩への強い瘀血が認められたため、刺絡療法も併用。生活習慣などが一変し、初めはGさんも大変そうでしたが、3か月ほどして症状が治まってくると、しだいに自分でもセルフケアのコツが掴めるようになり、治療にもきわめて前向きに取り組まれるようになりました。
刺絡での瘀血解消が功を奏し、さらにはアトピー整体でのアイロン療法など多彩な取り組みが身についてきたこともあり、ステロイドは漸減、現在ではほとんど使わない段階にまで改善してきました。
ただ、これまでのアトピー性皮膚炎の鎮静後も、皮膚のごわごわ感や、スキンケア、女性特有の悩みなど細かな相談も増えてきたため、女性セラピストによる「アトピーカウンセリング」へ紹介。現在は入浴法や、心理的な相談にものりながら、ステロイドを使用せず、スキンケアを継続しています。
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