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来月のジャングルカフェ課題図書

 来月のジャングルカフェ(2021.12.9 木曜日開催)の課題図書です。少しこれまでとは違って、テーマは認知症。それも少し違った角度で認知症の人から見える世界の歩き方。認知症において、その疾患の特徴を形作る構造を分析し、認知科学的に捉え直して「世界」を描いて見せた新刊です。

 初めはただ面白そうだなと思って、書店で手に取ったのですが、まさにこの発想は、以前このブログでも展開した「こちらの医学」の構想そのものです。
 自らの内面を形成する「構造」的な問題と、それを認知科学的な用語で記述するという発想。ケン・ウィルバーの四象限で言うところの「I」における外面(構造主義的視点)と、「It」における内面(認知心理的用語)とが交差する世界観です。
 当事者の主観(ナラティブ)と、疾患の客観的記載(EBM的・科学的記載)の2つが主に重視される現在の思潮の中で、忘れられがちなもう一つの視点として「こちらの医学」としてかつて主張したもの。これが「認知症」という大きな関心を持たれる疾患への具体例として展開され、出版されていることへの驚きも含めて、今回のカフェの課題図書としました。

 認知症についてのみならず、ここで展開される視点(観測点)の面白さ、大切さを感じて頂けたらと思います。

 こちらの医学との関連性については、また後日、こちらで書いていきたいと思います。

認知症世界の歩き方画像

認知症世界の歩き方
認知症未来共創ハブ ライツ社 2021-09-15

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