臨床ファッシア瘀血学 番外編 外辺知識としてのエーテル
今回はファッシア瘀血そのものというより、その外辺的な知識としてのエーテルについてメモしておきたいと思います。
エーテルは、科学史的にはアインシュタインによる現代物理学誕生前夜に、宇宙を満たす物質としてニュートンに代表される古典物理において絶対空間を形成する「物質」として仮定されていました。
それゆえに現代物理学においては、真っ先に乗り越えられる概念として、その存在が否定されたものです。ただし、これが19世紀の電磁気学などの再評価の中で、じつは姿を変えながら復活しつつあるとする見方もありますが、ただし従来のエーテルそのものとしてというわけにはいかないようです。
では、どうしてここまでこの概念は否定されてきたのでしょうか。当然、現状の理論(相対性理論など)との齟齬という面は大きいのですが、それ以外にも実は、これは錬金術由来のキーワードだったということも見逃せません。近代科学のダークサイド、錬金術です。こんな概念がうろちょろしていては、確かに現代科学的に落ち着かないでしょうね。
そもそも錬金術は卑金属を「金」に変える、さらに広く言えば、不完全なものを完全なものへと変化させる神の技です。具体的には万能薬(エリキサ)を作ったり、賢者の石を作ったりという世界です。
宇宙を形成する「第一質料」から「四大元素」が形成され、これらを結び付けるものとして「第五元素」があり、この第五元素こそが、賢者の石そのものであるとされます。
そしてこれが宇宙空間を満たすプネウマである「エーテル」だというわけです。もうこれだけ書いただけで、現代科学がいかにこの概念がお荷物だったかが痛いほど伝わります(笑)
こうしたものを理解しようとする時、エーテルとは何かという理解の仕方をしない方が良いでしょう。つまりエーテルという概念によって、どのような現象を説明しようとしていたか、と考えると、各人によってかなりその意味するところが違ってくることが分かると思います。
何らかの現象を説明しようとするとき、我々は今ある概念を用いて、つまりその言葉に仮託して説明するしかないわけです。
ちなみにこの第五元素たるエーテルは、硫黄・水銀・塩の「三原質」における塩と同一視され、対立する硫黄と水銀を結合させる物質とされました。
そしてこの「賢者の石」を抽出するために多く用いられた材料が「卵」になります。これはなんとなく理解できて、卵から全く異なるニワトリが形成されてくることから、そこに第五元素の大いなる力をみたことが推測されます。
個人的にも、多くの場合の推奨食品である「卵」が賢者の石を含むものであるとすると、はげしく同意です(笑)
無いものとされる「エーテル」を別な視点から再評価することで、物理学などでも新展開が可能となるように、従来ただの梱包材的な意味でしか語られなかった結合組織など「ファッシア」も、身体への大きな視点の変更を迫るものです。
従来、無視されていた空間へのまなざしという意味でも、共通するところが少なくありません。というより身体というバラバラな要素の集合体を、一つのまとまりとして結びつけるという意味では、身体における「エーテル」はまさに「ファッシア」そのものであるという解釈ができるわけです。こうした外辺医療的な知識も、「ファッシア瘀血」の今後の展開には、不可欠になるように感じています。
錬金術に関してはこちら
図解 錬金術 (F‐Files No.004)
草野 巧 新紀元社 2006-02-17
物理学におけるエーテルの意義についてはこちら
ニコラ・テスラが本当に伝えたかった宇宙の超しくみ 上 忘れられたフリーエネルギーのシンプルな原理(超☆わくわく)
井口 和基 ヒカルランド 2013-11-14
賢者の石についてはこちら(笑)
ハリー・ポッターと賢者の石 (吹替版)
アラン・リックマン 2013-11-26
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