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フィードバックをデザインする

こんにちは。こいけです。

メンバーへのフィードバックはマネジメントにとって呼吸するくらい大切な日常風景。


マニュアルなんて存在しない。
たいていは自分が受けてきたフィードバック体験が、その人のスタンダードになったりする。


わたしもメンバー時代に受けたフィードバック体験が、今のスタイルを模索するキッカケになっている。私の場合は反面教師的にだけれども。

と言うことで、今回は「フィードバックをどうデザインするのか」について整理してみたい。


心のシャッターをそっと閉めたフィードバック体験


現職では評価面談は半年に1度。
途中に中間のフィードバックを挟むので、3ヶ月に1度のペースでがっつりフィードバックする機会がある。


メンバー時代、上司が異動になり評価面談と目標設定のミーティングに前任上司と後任上司が並んで参加したことがあった。

そのミーティングが後任上司と直接話をするはじめましての場。
わたしが前期の振返りと、次期の目標を話し終えたところで、静かに聞いていた後任上司は淡々とわたしの発言を否定してきた。

今となれば、世話焼きで伝え方が少々不器用な良い人。でも当時は初対面。関係性もない当時のわたしは困惑した。
同時に心のシャッターがガラガラと閉まっていく音が聞こえる。


わたしのことも、仕事ぶりも知らないのに、なぜ否定からはじめるんだろう。


ガラガラガラ…
……ガシャン。


心のシャッターは一度閉まるとなかなか開かない。


そんな経験が、フィードバックについて考えるキッカケになった。マネジメントは目的を遂行するためにチームを組み、個力を引き出すために人を育む。その過程で本人に気付きを与え自立自走を促すのに必要不可欠なフィードバック。

やり方によっては逆にメンバーのやる気を削ぐことにもなる。薬にも毒にもなるフィードバックを薬にするにはどんな仕立てができるのだろう。


評価面談でのフィードバック

がっつりフィードバックをする評価面談の場。
その中で意識していたことを整理してみる。

その人を理解しようとする

わたしは、はじめましての1on1では、まずその人を知る時間をもらっている。
(1on1については、また別の機会で言語化してみたい。)

まずはその人を知る。
なにを大事にしている人なのか。
なにも否定せず、まずは誠意をもってその人を知ろうとする
まずはそこから。

曖昧な言葉を使わない

フィードバックをするときは、良いことも良くないことも、できる限り抽象的な言葉を使わず具体的にはっきりと伝えるようにしている。

例えば、

「いつも頑張ってると思うよ。」

ではなく、

「いつもMTGで積極的に意見を出してくれているね。主体性に参加してくれる姿勢に助けられているよ。いつもありがとう。」

みたいに。

表面的な言葉で褒められても、場面をイメージできないからイマイチピンとこない。何より褒められてるのにイマイチ嬉しくない。

叱られるときも同じ。なんのことを指摘されているのか、聞き手の想像力に委ねられてしまう。


その場ですぐにフィードバックできないときはできる限り場面をイメージできるように伝えてみる。


前向きになれる言葉を

ときには言いづらいことを伝えなければならないときもある。
そんなときも、あくまでも自分は協力者であり、上司としてサポートする気持ちを伝える。

例えば、

「次の等級を目指す上で必要になってくるのは◯◯。今の状況から恐らく△△が障壁になってくる気がしている。今期はその辺りに一緒に取り組んでいきたいと思ってる。」

みたいな。
愛をもって伝える。


フィードバックに対してフィードバックをもらう

フィードバックを聞いて率直にどう感じたかを聞いてみる。
本人の自己認知がどの程度あるのか確認できるので、今後のコミュニケーションの取り方もチューニングできる。
また、メンバーの仕事をまるごと見れるわけではないから、違和感があれば本人の主張を聞き、その場でギャップにも気づける。



フィードバックのための言語化

上記を意識しながら、ストレートにフィードバックを伝えるために、メンバーごとに予め端的に言語化してみる。

例えば、

・強み
・課題
・育成プラン


そのメモを3ヶ月ごとにアップデートしてみる。
そうすることで、進化の過程に気づきやすい。

また、いつも同じようなフィードバックになっていないか、新たな変化や成長を見落としていないかを意識できる。


このように意識することで、メンバーに成長の過程を見せてあげられるようにもなる

日常でのフィードバック

がっつりフィードバックしたあとの1on1ミーティング。現実に引き戻され、業務の話に終始しててはもったいない。


評価面談で互いにすり合わせができれば、日常場面でもフィードバックしやすい。メンバーにも進み具合や進める上で困っていることなどを聞きやすい。


そのような繋がりのあるコミュニケーションが結果的に進化を早める。

評価面談のフィードバックを日常に組み込む


評価面談でのフィードバックを、次の評価面談まで寝かせるのはもったいない。


1on1など日々のコミュニケーションにも散りばめることで、振返りの頻度は高まる。頻度が高まると変化も見えやすいので、メンバーの成長実感につながる。

さいごに、当時の後任上司とは今では仲良くさせて頂いている。
たとえ心のシャッターがガシャンと閉められても、対話を続ければまたシャッターは開く。


「フィードバックをデザインする」
それが個と組織の前進を加速する。

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