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第28椀 乾シイタケとナスのゴマ味噌汁

初出:2016年7月7日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。

テーマ: お気に入りの素材

「乾シイタケとナスのゴマ味噌汁」

今回は大好物「乾(ほし)シイタケ」の話です。前回は戦国時代の戦の際、乾物はとても重宝していたという話で、昆布、鰹節、こうや豆腐など乾物を使ったお味噌汁を紹介しましたが、戦国時代ならきっと乾シイタケも大活躍したんだろうなぁと思って調べてみましたら、なんと!乾シイタケは豊臣秀吉が天皇の行幸を仰いだときの献立に入っているほどの高級食材だったそうで、簡単には手に入らない珍味だったんですね。

現代から考えますと、なんでシイタケが高級食材?と思いますよね。戦国時代ではまだシイタケの人工栽培ができなかったために、山で自生しているものを採ってくるしかなく、マツタケよりも貴重なものだったそうです。さらに乾燥させたシイタケのほとんどは中国への輸出用に作られていたので、なおさら日本国内で食べられるのは一握りの権力者だったという話です。江戸時代に入り、シイタケの人工栽培が始まると、庶民も口にできるようになり、明治、大正、昭和と栽培技術は革新を続け、いまでは普段の食事に気軽に使える身近な食材となったんですねぇ。

私の実家では父が自家用でシイタケの原木栽培をしています。たくさんとれすぎてしまった時などは天日に干しておくと簡単に乾シイタケができます。出汁のとりかたは至極簡単でして、乾シイタケがひたひたになるように水に漬けて、冷蔵庫に入れて24時間おいておくだけです。形を気にしなければ、最初に手で割って浸水すれば1~2時間で戻ります。最初からスライスしてある便利な商品もありますよ。

本日のお味噌汁は、ちょうど昨年の7月にも「私の決めワザ!」というテーマで書かせていただいた「ナスのゴマ味噌汁」を再度紹介します。我が家では手で割った乾椎茸、2~3ミリ巾にハサミで切った昆布を、水を張った鍋に直接入れて冷蔵庫に入れておき、朝に加熱してそのまま具としても食べます。ナスは長さ2センチくらいの半月切りに切って投入し、くたっとするまで煮ます。

煮ているあいだにすり鉢でゴマをすり、そこへ味噌を加えてさらにすり、鍋に加えてひと煮立ちすれば完成です。ナスのとろんとした食感にゴマと油揚げのコク、乾シイタケのお陽さまの香りも相まって、まさに夏のお味噌汁ですね~。

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「乾シイタケとナスのゴマ味噌汁」
出汁:乾シイタケ、昆布
具材:乾シイタケ、昆布、ナス、油揚げ、ゴマ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)


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