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第58椀 日本一シンプル? 名古屋のお雑煮

初出:2019年1月7日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。


テーマ: お雑煮

「日本一シンプル? 名古屋のお雑煮」


岐阜県東濃地方にある実家のお雑煮は、鰹だしのすまし汁、煮た角餅、菜っ葉、鶏肉、かまぼこ、豆腐、花鰹の天盛りというものでした。お雑煮を他所で食べるということがなかったので、日本全国で我が家と同じようなものを食べているのだと思っていました。18歳で実家から離れて、初めて名古屋で食べたお雑煮にはこんな思い出があります。

専門学校へは名古屋市東区の新聞販売店に下宿させてもらって通っていましたので、元旦は新聞配達の仕事がありました。普段の3~4倍以上もある厚みの新聞なので時間もかかりましたねぇ。そんな大変な元旦の配達を終えますと、朝食にお雑煮が用意されていました。

お雑煮は大好きだったので嬉しかったのですが、出されたお雑煮は煮た角餅と菜っ葉(餅菜)に、花鰹がのっていただけというもので、正直な感想は「質素だなぁ」、、、当時はこの販売店だけがケチ、いや倹約家だからこのお雑煮なんだろうと思っていましたが、後で聞いたら名古屋ではこのシンプルなお雑煮が昔から伝えられているものだそうです。

理由は諸説あるそうで、派手好みの尾張藩主宗春が八代将軍吉宗に華美な食事を咎められたからという説。元来家康の質素倹約が受け継がれているという説。名(菜)を持ち(餅)上げるので、菜っ葉と餅を一緒に食べるのだという説。なるほど。どれも本当のような、後付けのような、、、。

今回30数年ぶりに食べてみましたが、当時の食べていた部屋の雰囲気まで思い出せるようでした。こういうのも何だか楽しいですね~。今年はぜひ名を持ち上げたいという方は、材料も少なくて簡単ですので、このお雑煮を作って食べてみてください!

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「日本一シンプル? 名古屋のお雑煮」

出汁:鰹節
具材:餅、餅菜(正月菜ともいう小松菜のような尾張地方の伝統野菜)
天盛:花鰹
調味料:酒、みりん、醤油


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