第74椀 鯖こく
初出:2020年5月8日
<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから
テーマ:こくしょうシリーズの3
「鯖こく」
先月の記事の一節で、「全国にある「こくしょう」と呼ばれる汁のルーツは、「濃漿(こくしょう)」という、肉や魚などをよく煮込んだ濃いみそ汁(今でもある料理で言いますと、「鯉こく」は鯉のこくしょうの略だと言われています)が由来ではないかな~」ということを書かせていただきました。
岐阜県は海のない県ですので、鯉は昔から貴重なタンパク源でして、鯉の甘露煮は名物料理として自慢のお店や旅館が多々あります。ところが、鯉を味噌で煮る汁もの、いわゆる「鯉こく」は私の住む地方ではあまり馴染みがなく、実は今まで食べたことがありません。
記事に書いておいて食べたことないではいけないので、作ってみようと思いましたが、わが妻は鯉が苦手なので、鯖の切り身で作ってみようと言うことで(本当は筒切りだと雰囲気出ますけど)。鯖の味噌煮や、鯖缶の味噌汁は作ったことがありましたが、鯖の切り身をわざわざ味噌汁にしたことはありませんでしたので、ちょっとワクワクです。
魚は熱湯をかけてから冷水で洗うと臭みが減ります。鍋に水、酒、ゴボウ、ネギ、鯖の切り身を入れて、沸騰したら弱火にして味噌を溶き入れ15分ほど煮たら出来上がり。激ウマです。これはメインディッシュです。しかしちょうど端午の節句だし鯉で作りたかったんですけどね~。今度妻に内緒でこっそり作ってみたいです。鯉こくの場合はもう少し煮込んでからそのまま置いて、もう一度温めていただくと鯉に味が染みておいしいそうです。
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「鯖こく」
出汁:酒
具材:鯖、ゴボウ、ネギ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)
吸口:おろしショウガ