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『リッツ・カールトンホテル出身の2人による特別対談』 福島 靖×田邉 公一 [Part 4 質問コーナー編]

対談シリーズの質問コーナー編の第二弾。今回もTwitterのフォロワー様より寄せられたご質問にお答え致します。それでは早速ですが、始めさせていただきたいと思います。

第3の質問 〜20代の時にやっておきたかったこと

質問3:お二方が20代の時にやっておいたら良かったと思うことを、是非お聞かせいただきたいです。

田邉:20代は、飲食サービス業に従事しながら、前半はBARでカクテルやスピリッツ、中盤から後半にかけてはレストランでワインの勉強を集中して行いました。そういった中、フランスに二度訪問はしたものの、ワインやお酒が生まれた産地を旅する機会を持とうという考えが、当時はあまりありませんでした。

先日ツイートもさせていただいたのですが、「旅は人生の財産」だと、その後強く思うようになりました。日常のルーティンから離れて、経験や知見を深めることは、ワインの世界で生きる身として、特に重要だと考えています。

海外に長期間滞在したり、ヨーロッパ一周旅行をしたり、お金を使い果たすまで世界を旅したかった。僕は20代までは、ハワイとフランスにしか行ったことがなかったので。

しかしその後、幸いにも30代になってから国内外を旅する機会をたくさんいただけるようになりました。

30代は海外に10回ほど旅立ち、語学留学をしたり、レストランで研修を受けたり、国内に関してもワイナリーや蔵元を訪ねて、ほとんどの道府県を訪問させていただきました。20代にできなかったことを、その後猛烈に取り戻している感覚でした。

ただ、もっと若いうちから積極的に世界を見に行き、文化と言語を学んでいれば、もっと何かを変えられたのかもしれません。ですがもちろん、これからそれを取り戻せると考えています。

福島さんはいかがでしょうか。

福島:これは後悔ではないのですが、もし今から戻れるとしたら、一度だけ大学生生活をしてみたいですね(笑) 

僕は高校を卒業してずっと働いているので、ドラマで観るような大学生活を送っていないんですよ。じゃあ今から行けばいいじゃないか?と言われてしまいますが、ちょっと違う。果敢な少年時代、あの時代を同年代の学友と議論を交わしたり、恋に落ちたり。トレンディ・ドラマの様な経験をしてみたかったですね(笑)

田邉:なるほど(笑)、そこに関しては僕は充実した大学生活を送らせていただいた経験があるので、福島さんに自慢できる部分かもしれません(笑)

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第4の質問 〜人生で一番の失敗

質問4:今までの人生での一番の失敗を聞いてみたいです。そしてそこからどう立ち直ったのかをお伺いできますか。

福島:この質問の回答には少し悩みました。実は、僕には「人生の失敗」が存在しないんです。もちろん、当時は「しまった・・」と後悔する事が沢山ありましたが、僕には“後から全て美談にする”、という特技が備わっているので(笑)

強いて言うならば、人生で一番の失敗は「高校生活」です。僕は中学生時代の人間関係のもつれから、高校生活では友達が0人だったんです。でも、本当は人と関わりたいし話したい。でも出来ない。そんなイライラを持ち帰るものだから、実家は家庭崩壊寸前。この状態から立ち直った手段は、「上京」でした。

このまま地元にいては自分が腐ってしまう。そう考えた僕は、18歳になった当日、ボストンバッグを二つ手に持ち家を出ました。その後、居酒屋でのアルバイトにのめり込み、気付いたら立ち直っていました。同時に、「サービスの面白さ」に気付いた原体験でもあります。


田邉:失敗とは少し違うのかもしれませんが、僕は完全に無職になった経験が2回あります。しかもそれぞれまるまる1ヶ月間、全く仕事をしていませんでした。

特に大きな挫折とも言えるのが、26歳の終わりにフランス料理店を辞めた時です。気力も体力も限界でした。辞める3ヶ月ほど前に退職の意思を伝えていましたが、次の仕事を探す気にもなれず、とにかく心身を休ませたかった。

マネージャーとチーフソムリエを兼務していましたが、日々の仕事が楽しいとは、全く思えなくなっていたんです。

次に何をやりたいかを決めることなく辞めてしまい、その後一週間くらい引きこもっている間、もうソムリエは辞めようと決意しました。また同じことを繰り返したくなかったのです。

しかし、他にやりたいことを考えてみましたが全く思い浮かばない。この時は苦しかったですね。しばらくするうちに、アルバイトでいいからまたソムリエの仕事をやりたくなったんです。

その時に入社したのが、神戸にあるホテルのレストランでした。労働環境も整っていて、スタッフもたくさんいるため、自分の得意なところだけを活かすことを周りが求めてくれる。心身共に健全な状態で仕事を楽しむことができるようになったんです。

この時の経験が、その後、自分の強みだけに特化して生きていく勇気に繋がりました。

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最後の質問 〜自分自身について

最後の質問:自分自身の好きな所を教えてください。

田邉:「継続できること」ですね。僕は自分が熱中したいことが見つかった時、「冷めにくい」性質をもっています。

熱中する対象が見つかった時、少しずつのめり込み、そのままゆっくりと温め続ける。つまり、飽きにくい。とことん突き詰めて考え続けると、次から次に興味の枝葉が見えてくる。そこをコツコツと積み上げていくのが得意ですね。

ただし不器用なので、成長スピードはかなり遅いです。だからこそ、長期にわたり積み上げていくことを楽しめるんだと思います。

福島さんはいかがでしょうか。


福島:全部です。

言葉巧みなところも、感性が豊かなところも、短気なところも、サボり癖があるところも、学歴が無いところも、全部が僕の好きなところであり、全部が長所なんです。誰が決めたのか?全部、自分です(笑)

田邉:さすが福島さん....究極の答えですね(笑)。最後に全ての人に勇気を与えるお言葉をありがとうございます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。このシリーズはPart2で終わる予定だったのですが、嬉しいことに多くの方からのリクエストをいただき、今回の企画に発展いたしました。また何かの形で、こうしてコラボレーションできる機会があると信じています。その時を楽しみに、これからも日々精進してまいります。

今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

福島 靖、田邉 公一


福島靖 | リッツ・カールトン流営業マン

38歳 / 外資企業にて営業マン7年目 / 前職リッツ・カールトン・ホテルに勤めていた時に発見した“お客様の記憶に残る技術“を生かし紹介だけで営業 / Twitter(@YasushiBoeing)で「特別な体験は、日常の中に転がっている。」をテーマに、明日から仕事がちょっぴり楽しくなる情報発信中。

田邉 公一 |ワインディレクター

43歳/タイソンズ アンド カンパニー、アニス、アミュゼ、マイアム、とさか六本木のワインディレクター。ワインスクール レコール・デュ・ヴァン講師/ワインや日本酒のコメンテーター、プロモーション活動も積極的に行っている。Twitter(@tanabe_duvin)
* 2007年 第6回 キュヴェ ルイーズ・ポメリーソムリエコンテスト 優勝
* 2019年 第1回 SAKE DIPLOMAコンクール セミファイナリスト   

*レコール・デュ・ヴァン 講師紹介ページhttps://www.duvin.jp/instructor/tanabe


最後までご覧いただき、心より感謝いたします🥂