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メディカル事情の小言

 レアル・マドリードのアザール選手が再び怪我による負傷で試合を欠場しました。そのことが話題となりメディカルの事情について話し合っていました。
僕たちのチームにはレアルマドリードからのレンタルバックでLuka Jovic選手が所属していますが、Jovic選手とメディカルスタッフ達で談笑していたときの話です。


メディカルとリハビリスタッフ構成の比較

レアル・マドリード 
ドクター 3名
フィジオセラピスト 7〜8名
アスレティック(コンディショニング)コーチ 2名

アイントラハト・フランクフルト
ドクター 2名
フィジオセラピスト 5名
アスレティック(コンディショニング)コーチ 4名


 レアル・マドリードとアイントラハト・フランクフルトではスタッフの人数としてはあまり違わないですが、どこに重きを置いているかが興味深いです。

 しかしビッククラブやメガクラブだからといっても安心してプレーできるようなケアや怪我をした選手が満足するようなリハビリを選手に提供しているわけではないようです。(ヨビッチ談)
メディカルやリハビリの状況はレアルマドリードだからといって飛び抜けていいという状況では無いようです。



 もちろんそれはレアル・マドリードだけにおける問題ではなく、ドイツ国内始めヨーロッパ各地のプロサッカークラブが抱える問題だという事を耳にします。

 クラブの規模が大きくなれば大きくなるほど資金力も潤沢になりチームもスタッフにお金をかける事が可能になります。加えてチームは名のある経験豊富なメディカルスタッフを抱えているのですが、そうなってくると起こる事がスタッフ同士のいがみ合いや権力争いです。
メディカルチームやスタッフ内で考え方や価値観の違いで亀裂が走りスタッフ同士がチームワークと言うものを発揮して助け合うのではなく、いがみ合い自分たちの足の引っ張り合いをしているケースの話を聞くのは実際多いです。
ドイツ国内でもこれはよく耳にする問題です。

メディカルがチームとしてけが人を減らすためには人数をかけたマンパワーと、
協力やチームワークやチームプレイがとても重要と考えます。
スタッフ同士が仲良しなだけではダメです。
単に仲が良いよければいいという訳ではないのです。
時には厳しい意見が出来、足りない部分を補いチームメイトやスタッフ同士の立場を考え尊重できる関係性で行動ができるスタッフが集まっている事が怪我の予防や早期回復に力を発揮できる環境なんではないでしょうか。
それが僕が考える良いメディカルチームだと思います。
 選手達が安心してプレー出来、最高のパフォーマンスを支えるためにはスタッフ含めチーム全体が一つになっていることが重要と感じるシーンが多いです。

ヨーロッパにいて感じる事はクラブの母体が大きくなるにつれて資金や金銭面も裕福ですが、どこのチームもスタッフ同士の人事でうまくいっていないと言う問題を耳にします。

 幸いにもここ数年、僕たちのチームはまとまりもそこそこよいです。
多少なりとも小さな問題もあるにしても、僕たちは楽しく仕事をさせてもらえています。幸せな環境にいるなと感じている次第であります。

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黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…

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