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Game Ready

 これは選手がセルフでも行うことができ、チーム内でも稼働率の高いアイシングするための機械です。他のプロスポーツクラブやブンデスリーガチームでも使用しているのはよく見聞きします。一般に開業しているスポーツフィジオセラピストの診療所などでも完備されているところは増えているようです。

 個人で持っている選手も多いですし、チームが数台所持していて必要な選手には貸し出せるような体制を取っているところも多いと聞きます。


 GameReadyには水と氷を投入し、コンセントにつなぎ温度、時間を設定しスタートボタンを押すだけと簡単です。その他に空気圧による圧迫の強さを設定する事ができます。
冷却温度と圧迫の強さを一定に保って行ったり、プログラムが入っていてリズムを変えたりもできます。

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チーム内でも使用率の高い機器で怪我や外傷時の応急処置、手術後やリハビリ時の患部の管理、リカバリーなどに幅広く使用しています。

もちろん氷で作ったアイスパックでも冷やすという行為には代わりはさほどないのが、狙いとするポイントとリスクも把握しておく必要があります。方法や特徴それに対するメリットやデメリットを理解して使い分ける事が最終重要だと思います。

 氷によるアイスパックは作り方によっては(クラッシュアイスなど)非常に患部に密着させやすいですし、短時間で急速に冷やしたい状況ではこちらが向いています。その反面、選手などに時間の管理を任せると稀に選手によっては冷やせば冷やすだけ良いという考えの選手もいて凍傷してしまうケースのリスクもあるので頭に入れておきたいです。
 逆にGameReadyなどのアイシング器による冷却は温度と時間のコントロールは容易です。凍傷のリスクが少ない温度で比較的長い時間冷却ができるのと同時に空気圧による圧迫を同時にできるのがメリットです。幹部の部位(特に足関節周囲など凹凸の多い部位)によっては巻きつけるマンシェットがぴったりと肌に密着しづらいという事。それを無理な力で巻き付けようとすると冷水の循環が滞ってエラーを起こして止まってしまう事があるので適切に巻きつける必要があると思います。あとは部位によりマンシェットが追加で必要になります…
 

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うちのチームでの使用例としては、もし怪我など問題が起こった場合にはドクターの診断と応急処置をし一時的にアイスパックにて冷却を行います。特に試合などの場合では帰りのバスの中など移動時間にもGame Readyでアイシングと圧迫をするようにします。機器と氷を用意しておけば選手たちは自発的にセルフでやってくれます。
 クラブハウスだけでなく自宅でもリラックスしている時間や仮眠をとりながら安全にできるところが強みでリカバリーにおいても空き時間なども有効に使えると回復速度も変わってきます。
 

 他にも据え置き型タイプもあります。
このタイプは二つホースがあるので左右同時に二箇所行えます。もしくは二人同時に一箇所のケアが同時に行えます。
こちらの機器は蒸留水をタンク入れ電源に繋ぎ使用しますが氷を入れる必要がありません。
こちらの据え置き機のいいところは、温度調節を自在に設定できるところです。
冷やす事と温める事も可能です。さらに選手に人気な機能が冷やすと温めるタイミングを細かく設定することで交互に温度調整ができます。交代浴のような状況を作ることができるのでリカバリーに重宝しています。

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※上記の写真はお借りしました。


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 業界では、アイシングがいいのか。温める方がいいのか。という考え方の違いや、さらには冷やす場合には何度くらいがいいのか。何分がいいのかという議論はいつもあります。症状や状況に応じてトレーナーが臨機応変に対応できるといいですね。

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黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…

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