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人の記憶に残る仕事ができる人になりたい。

 先日のホームでのヘルタ・ベルリン戦での出来事です。

 試合前、ピッチへとつながる通路でとある相手のスタッフから話しかけられました。

 僕は彼の顔には見覚えがないのですが、
「久しぶり!僕を覚えていますか?」といった様子でこちらによってきます。


簡単に挨拶を交わしましたが、わかりません。
残念ながらわからないと謝り、話を続けると、


 僕がチームに入団して間もなく右も左もわからない状況で余裕もなかった頃、
時を同じくしてチームの練習にテスト参加していた若い選手だったようです。


 彼は短期間チームのトレーニングに参加した後、他のチームを転々としたあとプロを諦め、現在はチームマネジメントの勉強をしてヘルタ・ベルリンでチームマネージャーとして働いているとの事でした。


そんな彼が当時の事をこう言うのです。

「当時、合宿で治療してもらったんだ。若い選手だった僕に対してちゃんと対応してくれてありがとう。あなたの鍼治療はとてもよかったです。」
と覚えていてくれてました。

選手時代に僕が何度か治療を担当した選手でした。

他のベテランのフィジオが主力選手の対応に忙しくしており、
なかなか診てもらいたくても診てもらえない状況で
他のフィジオがふって僕のところに回ってきたと言っていました。

こうして覚えていてくれた事に僕はとても嬉しかったです。
…僕は覚えていなくて本当に失礼しましたと言いたいです。


 僕にとっては誰を治療するときにも常に誠意持ってを施術することは当たり前のように意識してやっている事ですが、彼はそれがとても嬉しかったと言ってくれました。

 やはり僕の周りでは若い、試合に出ていない選手はチーム内では肩身の狭い思いをしており、十分に施術を受ける事ができない環境にあるといえます。
もちろん試合に出れない選手であってもトレーニングで痛む事もあるし、疲労も溜まります。満足にはケアが受けれないような状況でも若い選手はチャンスを物にしてのし上がっていかないといけない厳しい世界だと思います。


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黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…

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