医師不足を考える

2日前に「毎日投稿頑張る!」と意気込んでましたが文字通りの3日坊主でしたw
今日からまた投稿頑張ります!

本日考察するトピックは「医師不足」です。
これは私が今年度受験予定の医学部編入試験の面接や小論文でも問われる必須テーマです。1人の日本国民としても考えるべき内容ではないでしょうか。

少子高齢化、過疎化が叫ばれて久しい昨今ですが、それらとの関連性はどうなのでしょう。様々なデータを引用しながら考えてみたいと思います。

Health at a Glance 2021 - How does Japan compare (oecd.org)

早速ですが、OECD(先進国38か国)の統計データ(2021年)がありました。こちらを参考にしてみます。ひとまず、気になった数字を内容にかかわらず列挙します。

・出生時の平均寿命がOECDで最長(84.4歳 - 2019年)
・乳児死亡率が低い
・男性の喫煙率はOECDで5番目に高い(日本男性およそ28%、OECD平均およそ21%)
・運動不足の人はOECD平均より少し高い
・家計における自己負担額が低い(日本2.6%、OECD平均3.1%)
・一人当たりの受診回数が大変多い(日本12.5%、OECD平均6.8%)
・乳がん検診率はOECDで6番目に低い(日本45%、OECD平均62%)
・医療の質に関するデータが少ない(プライマリケア、病院医療、医薬品処方、メンタルヘルス、患者安全、医療機器使用率)
・GDPに占める医療支出はOECDで5番目に高い(日本11%、OECD平均8.8%)
→政府支出に対する割合は2番目に高い(日本24%、OECD平均15%)
・CTとMRIはOECDで一番多い(日本171、OECD平均45%)
→参考(平成30年内閣府資料:shiryou3-1-4.pdf (cao.go.jp)
・開業クリニックで電子カルテ使用率はOECDで4番目に低い(日本42%、OECD平均93%)
・平均在院日数が長い(日本16日、OECD平均7.6日)
・人口当たりの病床数はOECDで一番多い(日本12.8/1000人、OECD平均4.4人/1000人)
・人口当たりの医師数はOECDで6番目に低い(日本2.5/1000人、3.6人/1000人)
・医師一人当たりの診察回数はOECDで3番目に多い(日本5011回/年、2111/年)
→その一方で医師が十分な時間を割いたと感じる患者はOECD最小
・女性医師の数はOECD最小
・看護師の数は多い(日本11.8人/1000人、OECD8.8/1000人)、医師1人あたりに対しても多い(日本4.7人、OECD2.6人)
・薬剤師の数は多い(日本19人/10万人、OECD86人/10万人)
・医師の地域間の人口密度の差については都市間は最小、地方においても差は少ない
・高齢化はOECDで最も進んでいる(自明)

ネットですぐ見つかった資料のわりに大変よくまとめられており、大変興味深いデータばかりでした。

ここからは個人的な考察を述べていきます。
データから導かれることの1つとしては「医師の絶対数は圧倒的に足りない。それにもかかわらず他のOECDに比べるとサービス(診察回数など)が過多になっており業務量も過多。それによって患者1人あたりに避ける時間も少なくなり、患者も不満に感じている。」だと思います。

「医師が多忙であり、診察時間が短いことに患者が不満を感じている」という部分については、私が現役の医師の方が書かれた書籍を読んだ際にもよく見られた記述でしたので、現場の方々も同じ実感なのだと思います。

これの解決策ですが、1例として看護師や薬剤師が供給過多であるというデータをもとに考えると、医学部学士編入の枠を増やすというのは割とありなのではないかと思います。看護師や薬剤師の方々はもともと医療の素地があるわけですし、時間はかかりますが、ステップアップの1つとして認められてもいいような気もします。(非医学系で医学部編入を志す私の首を絞めることになりますが笑)
女性医師も少ないとのことですが、これは女性の割合が多い看護師の方々が医師となることで、解消されそうです。

現在、政府は地域枠を増やすことで対応を進めていますが、個人的には反対です。確かに自治体の立場から見れば、医学部卒業後に地元に残ってくれることを確約することで医師の人数確保の見通しができるわけですが、それ以前に医師も1人の人間なわけで、ライフステージを経るごとに本人が希望するもの(給与、学びたいこと)が他の土地や職場にあることもあります。したがっていつでも居住場所や勤務場所を変更できる自由は保障されるべきだと思います。

勝手な意見ですが、医学部編入を志す方にはある程度の年数を都会で働き、Uターンの手法として地元に近い場所で医師として働きたいからと志すパターンもあるかと思います。また世帯を持ちながら受験を志す人もおり、そういった方々は医学部卒業後も長期間定住してくれる可能性が高いと思います。

ここからは余談ですが、気になるデータとして、日本はCTやMRIの数がOECDで最も多いというデータがありました。個人的にはこれは日本の医療費が高くなっている一因ではないかと思います。内閣府の資料も引用しましたが、CTやMRIのような精密機器が多いというのは、それだけメンテナンスのための費用が掛かるということを意味します。私自身がいた航空機製造の業界でも同様ですが、機械のメンテナンスというのは相当な労力とコストがかかります。(自動車でも同じだと思います。)
医療機器の数を適正化していくのも、今後政府がやるべきことなのかもしれません。

最後に捕捉として。私は必ずしも何もかも世界を見習えとは思いません。
人口比率、政策、国民性が変われば医療のニーズも変わるわけですから。
ただ、比較をすることで、今回で言えば日本の医療の問題ややるべきことが見えてきます。

最近、医療業界を調べること同時に政治にも関心があります。
今後お話しできればと思いますが、医療業界というのは税金で支えられている側面が多いから自然と興味を持つというのが1つの理由です。もう1つは最近の自民党の派閥政治に限界を感じているというところです。決して自民党が嫌いというわけではないのですが、身内話に時間を割きすぎて本質的な議論ができていないと考えています。その一方で国会議員は国民の代表者ですので、宗教や利権団体から出馬する人も多く、その結果として派閥政治になるということもわからなくはないのですが。

少々脱線してしまいました。今日はこの辺で。

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