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病めるときも健やかなるときも病めるときも

 令和になって社労士試験合格のために勉強をはじめて、あまり言いたくないが、まぁまぁな年月が経とうとしている。大人になってこんなに勉強する日が来るなんて思ってもみなかったし、割と時間をかけてもかなわないことがあると思い知っているところ。受験料もコロナ禍で謎の値上がりをした。お金もまぁまぁかかる。子供の頃は勉強をしていたら褒められたのに、大人になるとそういうわけにもいかない。まぁでも、社労士の勉強をしたい状態で、受験資格がぎりぎりある21歳か22歳にタイムスリップしたところで、社労士になりたい動機は、この16年で蓄積したものだから、時間があれば勉強するというものでもないんだろうけれど。
 私は今、去年参加させてもらったガチな勉強会で1年間ご一緒させていただいた方々との勉強会と、全員が主婦の方々で育児やお仕事で奔走している方々との勉強会の主に2つに属させてもらっている。いずれもオンライン。Twitterで出会った受験仲間の方々の企画に乗っからせてもらうこともあったりして、この歳でこんなにお友達が増えると思っていなかったし、居住エリアで受験生ママを探すのそらく無理だろうが、こんなに多くの共通属性の方と繋がれるおかげで私の受験生活に孤独はなく、とても楽しく、お付き合いの期間も1年は軽く越している方が増えてきた。お互いに大変なときや就職転職といった人生の転機や、妊娠出産そして介護看取りと、輪廻転生の瞬間を見させていただいている。私のことも下手すると、いや確実に、親兄弟より知ってくれている気がする。この試験が簡単だったらそうは行かなかったと思うのだ、共通の敵というかゴールと言うか壁を前に、気のおけない方々との出会いをさせてもらっただけで、社労士試験という沼で、素晴らしい出会いをすでにもらっている。

 毎日決めた目標を達成していけば、もしかしたらこの試験はそんなに難しいものではないのかもしれない、と時折思うことがある。しかし、それがめちゃクソに難しい。私も難しいし、仲間たちにも難しい。仕事があれば繁忙期があり、トラブルが有る。こんな時間まで働いていたの?もうこの時間から出ていくの?ラインの返信時間がおかしい。子どもが入れば風邪も引くし、怪我もする。流行病ももらってくる。子どもだって気分の生き物、親が忙しくしているとかまわせる機能がなかなか外れない。元気でいてくれたって、彼らの習い事に付き合おうと思ったら、なかなか骨の折れる生活になる。これに加えて節目節目には受験がやってくるという噂だ。それまでに私は有資格者になれるのだろうか。
 親がいれば病気もするし、年をとる。怪我もしやすくなる、一緒に暮らせない苦渋の選択を迫られるときもある。もう会えなくなるかも知れないから、会いにいくときもある。超高齢化となった社会で、お別れも突然にやってくる。受験なんかしていなくても、こう考えると平穏なときなんて人生早々ないのでは、と思ってしまう。よく「時間ができてから、なんて言っててもそんな時間は一生来ませんよ!」みたいなことをリア充キラキラ垢の元気なインスタグラマーが言っている気がするが、あの人たちのことを好きになることは一生ないと思うのだが、その事実は確かだと、受験を意識し始めてから実感せざるを得ないのだ。時間はない、だけど、やる。どうにか、やる。完璧じゃなくても、受ける。

 受験仲間たちと画面越しに過ごしていて、つくづく思う。絶好調なときなんてそうそうない。みんな、本当によく頑張っている。家族を支えながら、家族や周りの健康を守りながら、社会に参画しながら、自分を鼓舞して、本当に、伝わってくる。きっとみんな、私もそうだったように、これまでに絶対辞めるきっかけなんてたくさんあったはずなのに、続けているという事実。私も合格したいし、みんなが合格した顔をみたい。健やかなときは誰かをちょっと励まして、病めるときも多いけれど、あなたも大変な中頑張っているね、私も頑張るよ、と、力を振り絞ってるうちにだんだん振り絞れる力が大きくなっていって、8月最終日に、お疲れ様!とすがすがしく、言いたい。

 重なるときは重なるし、起きてほしくないことだって容赦なく起きる。私も今、まさに渦中を生きている感がある。受験なんてしなくてもそれなりに人生ってせわしないのかもしれない。でもやると決めてしまったし、そしたらこんなに出会ってしまったし、後に引けない。簡単に使ってはいけない言葉だけど、今日は自分自身に言っているつもりでいわせてほしい、がんばろう!

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