「のぞみっこ」のおかあさん、おとうさん、そして先生たち、こんにちは!

私たち「ぼくの好きな先生」のための共育ラジオ番組「ラジオの時間」の第三回目です。

今日の一曲目はMr. Childrenの「GIFT」(2008)です。

おとうさん、おかあさんの「のぞみっこ」に対する愛情を、最もよく表現してると思われる曲の一つです。

作詞を担当した桜井(和寿)さんは、清志郎と並ぶ天才詩人だと思います。

これは私だけの意見ではなく、米国の大学で日本文化(特に日本のポピュラー音楽)を教える友人たち(全員、日本語が完璧な北米人)も同意見です。

現在、彼らと一緒に、清志郎、桜井さん、アッコちゃん(矢野顕子)らによる歌詞を英語に翻訳・出版するプロジェクトを進めています。

もちろん、「ぼくの好きな先生」もそのうちの一曲です。

彼(女)らの作品の素晴らしさが、世代や国境を越える証しです。

「GIFT」はまた、この後明らかになるように、「探求型学習」において、私たち「ぼくの好きな先生」に何が出来るかを最もよく表現した曲でもあります。

実は、「のぞみ」の先生たちにも、ミスチル・ファンはたくさんいます。

「のぞみ」にやってきたばかりの頃、私は先生方ひとり一人と面談しました。

その時、ミスチル好きの先生たちに「桜井さんの詩に共感出来る子どもを育てたい」と言ったほどです。

この曲のPVを観れば、そのことをより一層理解して頂けると思います:
https://www.youtube.com/watch?v=wZlgIGsT-Ns

「GIFT」/Mr. Children(2008)

一番きれいな色ってなんだろう?
一番ひかってるものってなんだろう?


僕は探してた 最高のGIFTを
君が喜んだ姿を イメージしながら

「本当の自分」を見つけたいって言うけど
「生まれた意味」を知りたいって言うけど

僕の両手がそれを渡す時 ふと謎が解けるといいな
受け取ってくれるかな

長い間君に渡したくて 強く握り締めていたから
もうグジャグジャになって 色は変わり果て
お世辞にもきれいとは言えないけど

「白か黒で答えろ」という 難題を突き付けられ
ぶち当たった壁の前で 僕らはまた迷っている 迷ってるけど

白と黒のその間に 無限の色が広がってる
君に似合う色探して やさしい名前を付けたなら
ほら一番きれいな色 今君に贈るよ

地平線の先に辿り着いても 新しい地平線が広がるだけ
「もうやめにしようか?」自分の胸に聞くと
「まだ歩き続けたい」と返事が聞こえたよ

知らぬ間に増えていった荷物も
まだなんとか背負っていけるから

君の分まで持つよ だからそばにいてよ
それだけで心は軽くなる

果てしない旅路の果てに 「選ばれる者」とは誰?
たとえ僕じゃなくたって それでもまだ走ってゆく 走ってゆくよ

降り注ぐ日差しがあって だからこそ日陰もあって
その全てが意味を持って 互いを讃えているのなら
もうどんな場所にいても 光を感じれるよ

今君に贈るよ 気に入るかな? 受け取ってよ 
君とだから探せたよ 僕の方こそありがとう

一番きれいな色ってなんだろう?
一番ひかってるものってなんだろう?

僕は抱きしめる 君がくれたGIFTを
いつまでも胸の奥で ほらひかってるんだよ
ひかり続けんだよ
(歌詞 桜井和寿)


「伸び伸びと自由に」の真の意味

昨日、10月1日は、来年度の入園のための面談でした。

入園希望理由として圧倒的に多かったのが、「伸び伸びと自由に」という、私が「のぞみの伝統」と呼ぶ教育方針でした。

この伝統の基礎を築いた中本一登初代園長先生はよく、事あるごとにこの言葉を口になさっていたそうです。

そのことを私は、7月1日に「のぞみ」に赴任したばかりの頃に、中本先生を直接知る井上礼子副園長先生から聞きました。

中本先生は、広島県教育員会の重鎮でおられた方で、その教育理念に共鳴した井藤勲雄広島銀行頭取が、中本先生を園長に迎えて設立したのが「のぞみ」です。

「ひろしま美術館」と並ぶ、広銀100周年記念文化事業の目玉の一つでした。

中本先生は、「のぞみ」の『創立25周年記念誌』に寄せた文章で、「のびのびと幼児を解放する保育」と書いておられます。

これを読んだ私は、のびのびと自由に遊ぶことを通して、中本先生は何を「解放」しようとしたのか考え始めました。

その答えは、「のぞみ」の先生方が子どもたちに接する姿を見ていると、すぐに見つかりました。

先生たちと「のぞみっこ」が遊んでる姿を見ているとまず、子どもは生まれながらに、ひとり一人異なる、優れた才能を持っていることがよく分かります。

この生まれながら備わっている才能が、今これを読んでくださっているおかあさん、おとうさんが「のぞみっこ」に贈ったGIFTです。

のびのびと自由な遊びを通して、時に励まし、時にサポートしながら、おかあさん、おとうさんが「のぞみっこ」に贈ったGIFTを「生きる力」へと開花させる。

それが「のびのびと自由に」の真の意味です。


「のぞみ」を選んでくれたおとうさん、おかあさんは、すでにそのことをよく御存じであることを、今回の面談を通して知りました。

それは私たち「のぞみ」の先生にとっての最高の励みになり、一層「ぼくの好きな先生」に近づこうという意欲を持たせてくれます。

♬君とだから探せたよ 僕の方こそありがとう♬


Signと自己肯定感

GIFTの「新芽」は、「○○が好き」のなかに現れます。

「かけっこが好き」、「絵をかくことが好き」、「創るのが好き」、「動物が好き」というように。

「のぞみ」の先生たちは、そうした「好き」が、まだ子どもたちの中に眠っているGIFTのサインであることを知っています。

ではここで今日の二曲目、ミスチルの2004年度レコード大賞受賞曲『Sign』を。

これも、おかあさん、おとうさんの「のぞみっこ」への想いを表現した曲として聴けます:
https://www.youtube.com/watch?v=4wuWJ7GAc2s

Sign/Mr. Children(2004)

届いてくれるといいな
君の分かんないところで 僕も今奏でてるよ
育たないで萎れてた新芽みたいな音符(おもい)を
二つ重ねて鳴らすハーモニー

「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返して僕ら
人恋しさを積み木みたいに乗せてゆく

ありふれた時間が愛しく思えたら
それは“愛の仕業"と 小さく笑った

君が見せる仕草 僕に向けられてるサイン
もう 何ひとつ見落とさない
そんなことを考えている

たまに無頓着な言葉で汚し合って
互いの未熟さに嫌気がさす
でもいつかは裸になり甘い体温に触れて
優しさを見せつけ合う

似てるけどどこか違う だけど同じ匂い
身体でも心でもなく愛している

僅かだって明かりが心に灯るなら
大切にしなきゃ と僕らは誓った
めぐり逢った すべてのものから送られるサイン
もう 何ひとつ見逃さない
そうやって暮らしてゆこう

緑道の木漏れ日が君に当たって揺れる
時間の美しさと残酷さを知る

残された時間が僕らにはあるから
大切にしなきゃと 小さく笑った
君が見せる仕草 僕を強くさせるサイン
もう 何ひとつ見落とさない
そうやって暮らしてゆこう
そんなことを考えている
(歌詞 桜井和寿)

「のぞみ」の先生は、「のぞみっこ」ひとり一人のこうしたSign of GIFTを「何ひとつ見落とさない」よう、常に心がけています。

そしてそれに気づいたら、心から驚き、共感し、褒めます。

「褒めてあげる」ではなく、全ての「のぞみっこ」が持つGIFTの豊かさ、多様さに心から驚き、共感して褒めます。

すると子どもたちは、「これでいいんだ!」という自己肯定感を持ち、それがさらなる意欲に繋がります。

そうなると子どもは、おかあさん、おとうさんから受け取った、生まれながらに持つそのGIFTに導かれながら、自分自身で色々なことを学んでいきます。


例えば、お絵かきが好きな子だったら、今度はそこからパソコンで絵をかくこと、そしてコンピューターやプログラミンそのものに興味を持つというように。

これが「探求型学習」です。

ちなみに、先日の中国新聞に、IB認定校である広島叡智学園における「探求型学習」の取り組みに関する記事が掲載されていました。

幼稚園と中高の違いはありますが、参考にはなると思ったので、ここで共有しておきます:
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/217619

こうした「探求型学習」の過程で少しぐらい躓いても、「ぼくの好きな先生」の励ましとサポートを通して自己肯定感さえ育まれていれば、それを乗り越えてさらに前に進む力も、本来、子どもたちは兼ね備えています。

そうした力も、おかあさん、おとうさんが「のぞみっこ」に贈ったGIFTには含まれています。

その芽が育まれていく様子を「そばにいて」見ていると、「それだけで心は軽くな」ります。

私たちはそれだけで幸せになります:


♬地平線の先に辿り着いても 新しい地平線が広がるだけ
「もうやめにしようか?」自分の胸に聞くと
「まだ歩き続けたい」と返事が聞こえたよ
知らぬ間に増えていった荷物も
まだなんとか背負っていけるから
君の分まで持つよ だからそばにいてよ
それだけで心は軽くなる♬


こうした励ましとサポートによって、ありのままの自分を好きになること。

それが「自己肯定感」です。

そしてそれこそが、未来の「のぞみっこ」を幸せにする「生き抜く力」のうちで、最も大切なものです。

そしてそれを育むことを一番の目標とすることが「のぞみの伝統」です。

次回以降、この一番大切な「生き抜く力」である自己肯定感について「深い学び」を行っていきましょう。

(続く)

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