見出し画像

1. 国内の主要外資系ホテルグループを地理的に俯瞰する

以前にTwitterで、呟いた内容を延長して記事にします。


国内での出店軒数・地理的状況

外資ホテルグループの国内軒数はマリオットが圧倒的ですね。以下は2021年8月時点の日本国内での出店軒数をホテルグループ単位でグラフにしたもの。

外資ホテル軒数グラフ20210905

国内の都市別に軒数グラフとして、赤:マリオット、黄:IHG、青:ヒルトン、紫:ワールドオブハイアット、緑:アコーホテルズでマッピング。

画像1

軒数としては、圧倒的にマリオット。しかしながら、IHGは地方都市での出店が目立つ。出張の多いビジネスマンを取り込む意図なのか地理的な戦略が明確に思える。

一方、マリオットは大都市での展開が中心だったが、「道の駅プロジェクト」に参画して「フェアフィールド」ブランドの供給を開始。幅広い地域での出店が目立つようになってきた。

すでに開業した「フェアフィールド」ブランドのホテルは以下。7都道府県、16軒に登る。

画像3

フェアフィールドと道の駅プロジェクト

こうしたマリオットの地域での出店は、大都市圏のホテルはラグジュアリーブランド以外は飽和していることが一因であることは確かですが、「道の駅プロジェクト」との連携は新しい試みとしてとても興味深いです。

画像1

道の駅は2021年9月現在、日本全国で約1,200もありますが、これらが観光拠点としてのポテンシャルを最大限発揮しているのかと考えたら疑問ですよね。その地域に住む人々、車を運転して旅行するのが好きな人以外は身近に感じられないのでは。

しかし、近い将来大きな変化点となり得るのはモビリティの在り方が変わる未来。つまり自動運転へのシフト。日本の複雑で交通量の多い都市部よりもいわゆる田舎と呼ばれる地域の方が自動運転の社会実装は比較的容易と言われています。

道の駅を自動運転のサービス拠点にという既に実証実験が進んでいます。鉄道の駅のように道の駅が機能しはじめたら、地域観光のインフラとして道の駅の重要性が非常に高くなりますよね。とうぜん宿泊施設の需要はますます大きくなるでしょうから、あくまで私見ですがマリオットの道の駅での出店攻勢はこうした将来を見据えた種まきとして見ると合点がいきます。

米国やそのほかの地域で同じような取り組みがあるのかわかりませんが、交通の在り方が変われば、新しい市場が生まれる。時間はかかるでしょうがこれからも注目していきたいですね。

話が少し脱線していきそうなので今回はここでストップ、次の記事でそれぞれのホテルグループでの新規出店を俯瞰してみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?