見出し画像

ロイヤリティ戦略におけるマトリックスフレームワーク

こんにちは。
今日は、ブランドとしての戦略を組み立てるための、ブランド分類とそれぞれのロイヤリティ戦略について、学んだことをまとめようと思います。

まず、ブランドを分類する軸として設定するとわかりやすいのが、「購入頻度」と「商品の価格」の2軸です。

この軸をベースにブランド区分を当てはめてみると、こんな感じになります。

まず、それぞれの概要と、それがどんな業種のブランドに適用されるかについてです。

各セグメントにおける概要と課題、業種例のまとめ

各セグメントの概要・課題と業種例

Quality(第1象限)

【業種例】:ブティックのワークアウトクラスやジムの会員権、専門的な食品、高価格帯のレストランなど

高購入頻度・高価格商品は、商品の品質と色濃く連動して価格が決まる商品。このようなタイプの商品は、顧客がその商品に対する必要性を高く認識しているものです。問題点は、必ずしもすべての顧客に訴求できるわけではないこと。また、予算が限られている時期には、最初に手放すことになりかねないこと。他、特徴は以下の通りです。

▶価格帯は、たとえ初回購入であっても幅広い顧客層へのリーチを制限する要因になりうる
▶このような性質のブランドは、日常的なブランドよりも財政が不安定な時期により大きな影響を受ける可能性が高い
▶高級ブランドと同様、トップクラスの顧客はブランドへの忠誠心が高く、ブランドとの結びつきが強い
▶サービスのクオリティとデリバリーで競争している
▶顧客は定量的な指標よりも定性的な指標に基づいて選択する

Luxuary(第2象限)

【業種例】:デザイナーズ衣料品、ハンドバッグ、家具、自動車など

購入頻度が低く価格が高いものは、「高級ブランド品」に分類される。特徴は以下の通り。

▶解約率が高いこと、LTVの予測が難しいこと、日常消費者の購買意欲を高めることが難しいことなどが挙げられる
▶購入頻度が低いため、企業は翌年の売上の大部分を前年と同じ顧客ベースに頼ることはできない=常に顧客の獲得と再獲得を高価格帯で行う必要性が高く、運用難易度が高い
▶ブランドの価値を希薄化させないために、特典の提供には慎重であることが多い。

Utility(第3象限)

【業種例】:歯磨き粉、薬、シャンプー・リンスなど

購入頻度が低く、低価格の商品は、顧客は余裕があるが、あまり頻繁に購入する必要のないユーティリティ商品である。

▶商品が顧客にとってジャスト必要な時ではない限り、顧客とブランドとの関係を育むのは難しい
▶競争が激しく、価格設定に敏感
▶無制限にマージンを削り続けることで、商品の厳しい価格競争に巻き込まれることが多い=サステナビリティに課題あり

Daily(第4象限)

【業種例】:コーヒーショップ、ファストフード、スーパー等

高頻度・低価格のブランドは、消費者の日々の習慣に根付いているビジネスです。顧客は、一貫した購買行動をとる傾向があります。他、特徴は以下の通り。

▶極めて競争が激しい傾向がある
▶1つの同一ブランドを選択し続けるインセンティブを顧客に与えることが、非常に難しい
▶顧客の購買は習慣に基づく傾向が強いため、平均注文額を増やすのが難しい=予算を増やすことにあまり寛容ではない

ロイヤリティ戦略

各セグメントにおけるロイヤリティ戦略のまとめ

Quality(第1象限)

高価格を支払うことを厭わない顧客層は、そのブランドが提供する製品やサービスに対して持つ印象を基に自己選択しており、ロイヤリティプログラムに参加する可能性が高い。日常的なブランドと同様、ブランドの全顧客にアピールする必要があります。目標は、参加顧客数の最大化です。

この領域は、コミュニティを使うのがよいです。コミュニティを通じて同じ志を持つ人々が出会い、共に成長することができるので、ブランドに対し消費する理由ができます。

Luxuary(第2象限)

この領域は、全顧客を取り込む必要はないです。一度きりの顧客も対象ではないです。高級ブランドのロイヤリティプログラムは、ロイヤルカスタマーをさらに取り込み、ブランドのに対するマインドを最高潮に維持してもらうために利用するのがよいです。高級ブランドのロイヤル顧客は、独占性とステータスを気にするので、そこに焦点を当てるとより効果が見込めます。

この種のビジネスでは、顧客は消費可能なポイントや迅速な報酬のようなインセンティブを必要としません。ラグジュアリーブランドへのロイヤリティは、もっと長い時間軸で定義されます。
そのために、体験を超個別化しましょう。顧客の好みを理解し、個別にメッセージを送り、顧客がより熱量を帯びるような体験を還元しましょう。ではそれはどういったものか?それは、「経験的報酬」です。
割引や無料プレゼントではなくて、パーティーや講演会、コンサートなどのブランド限定イベントに招待するのが分かりやすいと思います。その際のポイントは、商品に直結するものであってはならないということです。顧客が高価な買い物をしようとしたときに、それがブランドへの熱量から出る購買行動であることが大事なのです。

Utility(第3象限)

この領域は、ロイヤリティプログラムとあまり相性がよくないです。
なので、言及なし。

Daily(第4象限)

プログラムに参加する顧客数の最大化を目指すべき領域です。
ブランドのロイヤリティプログラムは、自社製品のすべての顧客にアピールする必要があります。コモディティ化した競争環境では、このコネクターが成功と失敗の分かれ目となります。

また、日常的なブランドの顧客は、利便性とコスパを重視します。ステータスはどうでもよい領域です。
ポイントや交換可能な特典で顧客にインセンティブを与える。この種のビジネスの顧客は、日々の購買に影響を与える実用的な特典によく反応します。
なので、小さな特典を頻繁に獲得できるようにするのが良いですね。デイリーユースされるブランドにとっては、この小さく頻度の高い特典が大きな意味があって、競争の激しい市場だからこそこれを理由にブランドを選ぶことに直結するのです。
また、サブスクモデルのメンバーシッププログラムも相性がよいです。


物書きほんとたいへん!以上ご参照ください!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?