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メルマガのKPIについて。各指標と施策過程をまとめました。

僕がメルマガを科学しようと思った経緯

その昔、僕は新卒で入った会社で営業をしていました。
何の営業をしていたかというとマーケティングオートメーション(通称:MAツール)でした。
※知らない人のために、MAツールが何か簡単に説明すると、顧客情報&その人のWeb上の行動データを蓄積できて、たまったデータを使ってメルマガや広告の配信などのアウトプットができるツールです。詳細知りたい方はこちらをどうぞ。

もともとMAツールはPardot(Salesforce社)やマルケトなどの海外のツールが日本に入ってきたという経緯があり、今でも上記のツールだけでけっこうな国内シェアをとっています。
導入の際には、クライアントの業務フローにあわせてフィールドを設計したり、既存のシステムとの連携が必要になるケースも多いため、ある程度のシステムコンサルティング力も必要になるのが特徴です。

そんなマーケットで、国内の後発ツールで戦っていくとなると、総合的な機能スペックだけで戦っていくと死亡するので、現場のレベルでも「誰のどんな課題を解決するか」にフォーカスしていくか戦術を考えることが求められます。

結論からいうと、僕は法人営業部隊の営業企画・推進の方やマーケティングの方など売上が作られる過程にKPIをもつ人をターゲットとして、コンテンツマーケティング、その中でも特にメールマーケティングにフォーカスしました。
理由としては、ホワイトペーパーやオウンドメディアと比較して1つのコンテンツにかかる作成コストが少なく、(プッシュ型の施策のため)短期的な成果を出しやすいためです。
(※詳細書くとそれだけで1記事くらいの分量になってしまうので、これくらいにしておきます)

今回のターゲットとゴール

以上の経緯を踏まえ、今回この記事の目的は

・ターゲット:「売上が作られる過程にKPIを持つ人」が、
・ゴール:メルマガを送るときに目的に沿ったKPIを設定し、コンテンツの改善や施策の回し方の流れを理解する

ことです。

例:営業があたるリード数をKPIに持つ人だったら、どうやってメルマガのKPIを設定すればいいか?ECのマーケターだったらどうやってメルマガからのCVを増やすか?など、を考える参考になればと思っています。

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では、本編へどうぞ!

メルマガのKPIの考え方

まずメルマガの指標を図示すると以下のようになります。
※追記:あと、これとは別に配信頻度は適切か?メルマガの内容が配信リストにニーズがある内容なのか?を把握するために、退会(配信停止、購読解除)率も追います。

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▼ストック指標(図の◯の部分)... 基本的に必要なCVを達成するためにそれぞれどれくらいの母数が必要か?を設定していきます。
その上でそれぞれの遷移率(フロー指標)をKPIに置くのが一般的です。
・配信数
・配信成功数
・開封数
・クリック数
・CV数
--------------------------------------------------------------------
▼フロー指標(図の↪の部分)
・配信成功率(=配信成功数/配信数)...配信リストにinfo@とかがたくさん入っていると成功数が下がっちゃいます。

・開封率
(=開封数(人数)/配信成功数)...件名の検証したり、あと差出人を個人名にしたりと。ただよっぽどひどい件名にしない限りは開封率そんなに大きく変わることがないので、僕は参考程度の指標に見てます。

・CTR
(=クリック数(人数)/開封数(人数))...これはコンテンツによって全然変わりますwファーストビューにリンクをいれるとCTRは高くなる傾向にあります。
・CVR(=)...これはメルマガというよりもLPが大事です。特にLPの内容がメルマガと整合性あるのか。極端な例を書くと、おすすめの文房具を紹介するメルマガなのに、飛び先のリンクが不動産の物件紹介ページだったみたいなのはNG。

それぞの指標を上げていくための打ち手(例)

配信成功数率が低い...送っちゃいけないリストに送るのをやめる

開封率が低い...件名が長すぎないか確認。info@で送っている場合は、一度差出人を個人名(アドレス)に変えたものとA/Bテストしてみるとよいかも。

CTRが低い...コンテンツ長すぎないか確認。読み手に目的がわかりやすく伝わることが重要。理想はファーストビューにすべて収まること。特にリンクがファーストビューに入っているのといないのでは、結構数字変わる。読み手への予測可能性はけっこう大事。
(個人的に「だんだん寒くなってきましたね!」みたいなのはいらないと思っている。
※スマホでの見た目も結構大事で、HTMLメールだとレスポンシブも簡単にできる(ツールによっては自動変換してくれるものもある)ので実際にデバイスごとに確認するのがよい。
↓僕はこの本すごい参考にしました。HTMLよくわからない人でもわかるような解説してるのでおすすめです。

CVRが低い...上記の例のように、まずメルマガとのストーリーを意識するのがよいです。あとこれもリンクとかと一緒でちゃんとCTAボタンをファーストビューにいれるのが大事です。分量が長いと離脱します。

退会(配信停止、購読解除)率が高い...配信頻度が多すぎるか、そもそも送っている内容が配信リストの求めているニーズにあっていない可能性が高いです。毎月の新規会員数と毎月の退会数を比較してKPIを設定していくのがよいです。

以下僕のチームで実際に行っている作成フローを載せておくので、ご参考ください。

【参考】僕のチームで実際にやっている作成プロセス

参考までに、上記の流れを踏まえた上で実際に僕のチームでやっている作成フローも公開します。

▼作業の全体感
---準備---
0.メルマガの目的を共有
0.ターゲットのペルソナを理解する
0.紹介したい商材で何ができるか理解する
----------
①伝えたい価値を考える(できるだけたくさん)
②①で洗い出した価値を1つに絞る ※ここでなぜ選んだのか?、自分なりの仮説をもてるように(「今回伝えるべき価値はAです。なぜなら〇〇だからです。」)
③②を伝える上で外せない要素を2〜3個決める
④LPの選定or作成
⑤アウトラインを作る
⑥実際にメルマガを作る
⑦計測準備をする(パラメータとか)
⑧配信する
⑨配信の結果を振り返る(よかったこと、悪かったことを定量的に!)
⑩次回改善策

↓作成過程のコミュニケーションはこんな感じ。
※まだ入って日の浅いメンバーとのやりとりです。

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今回は触れませんでしたが、件名の作り方や本文の構成とか、そういうライティングのノウハウが知りたいよって人にはこの本がおすすめです。
あるマーケコミュニティでおすすめしてもらって試しに買ってみたのですが、コピーの作り方が体系的にまとまっていて頭に入ってきやすいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
内容に関係するご質問・ご相談などもお待ちしております^^

【追記】

KPIの作り方に関する記事をはてぶに公開しました(1万字超)。
こちらもあわせてご参考ください。


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