(過去話)子宮筋腫核摘出術:#02 触診とMRI

※これは、2013年の話です。医療の常識が今と少し違う可能性があります※

外来受診の巻

2013年2月。
その日の診察担当は女医のA医師。
A医師には数年前、重い生理痛と増えていく出血量などで子宮内膜症を疑って受診した時から時々診てもらっていました。この頃は他の医師に診てもらうこと(子宮頸癌の検査とか)が多かったので、患者としては少しお久しぶりな感じです。
気さくでサバサバしたところが長所ですが、やや雑な面もあります。

問診後にお腹を出して触診。

その時点でA先生、絶叫
「えっ、これ、筋腫いくつもあるし、大きいよ!? 吼さんってなんて言うかふくよかじゃん? でもはっきり分かるから相当だよ!?」

…センセ、だから受診したのよ。
本当は昨年受けなきゃ行けなかった子宮頸がんの検査サボってるけど、過去のカルテに筋腫って書いてあるよね。
何より、患者の前で絶叫しちゃダメ。
わたし付き合い長いからいいけど(職員だし)、普通の初診の患者さんに同じことやっていませんように。。。

まぁ、自分としてはワーストシナリオ(下降結腸か直腸に何かできている)ではなさそうなので、いいです。

あまりの筋腫の大きさと数に、触診後そのまま、MRIの予約が入れられました。
MRIの予約表を渡される時、A医師が真面目な表情で「あなたの場合、手術の適応になるよ。考えておいてね」と言いました。

MRI検査の結果

前回の受診から2週間後、MRIの検査結果を聞きにいきました。

この時点で、オットにだけは「筋腫が悪化していて、手術を勧められている」と伝え、少し話し合いをしました。
両親が揃って大病を患っていたことと、自分の仕事が特殊で共有できていないことから「手術の時期は少し先(秋頃)に設定する必要があること」「静養期間が短い術式を選んだ方が良さそうなこと」を考えました。
また、できれば全摘ではなく、核摘出でと伝えることにしました。

この頃、今よりも腹腔鏡手術を実施している病院は少なく、勤務先でも開腹手術のみでした。自分の選択肢は以下の3つ。
1)大学病院:実施している病院は距離がある。縁がないから主治医(執刀医)の人となりがわからない。腹腔鏡手術は希望する患者が多いらしいので、家庭の事情をぶっちゃけた時に、手術予定を自分の希望通りに入れてくれるかがわからない。
2)グループ病院:少し前に婦人科腹腔鏡の医師が入ったので手術ができる。主治医は全く知らない人だが、現場スタッフには知り合いがそれなりにいるから心細くはない。赴任直後だから、今なら予約が埋まり切っていないはず。
3)勤務先:4月に腹腔鏡手術ができる医師が赴任してくるらしいから、そこから予約してもタイミング的に良い気がする。しかし、本当に赴任するかはもう少し待たないと断言できない。あと、知り合いが多すぎて、気が休まらない予感がする。

診察室に入ると、A医師がMRIの結果画像を見せてくれました。

素人目にもはっきり分かる筋腫の多さと大きさ。
下は膀胱から上はへそ裏まで。

思わず「あら〜」と言う声が出ました。
想像していたよりも数サイズともに有るんですが。
これは苦しいわけだ。
お腹に石を詰められた、赤ずきんのお話に出てくる狼は、こんな感じだったのでしょうか。
…これ、子宮残したいって言いにくいわぁ…。

A医師は、珍しく真顔で
「吼さんの場合、筋腫が無数にあります。複数ではなく、無数です。一番大きいものは鶏卵くらい。子宮筋腫は良性腫瘍ですが、圧迫症状が複数出ているので、手術の適応になります。吼さんは死なない病気だから、と言いましたが、これは、命にかかわらず、手術を勧めます」
と言いました。
初めて見る表情に、「お医者さんっぽいなぁ」と失礼なことを感じました。
しかし、続けて言った言葉が
「あ、けどお腹の皮下脂肪は結構薄かったです。良かったですね」
でした。
そ う い う と こ ろ 〜

後日知ったことですが、自分の子宮筋腫MRI画像は読影医たちもざわつかせていたそうです。(←見落としを防ぐために、複数名で画像を診る)
お腹がぽっこりしてきた貴女、もしかするとそのお腹は中年太りではないかもしれません。婦人科受診は定期的に…。

これは全摘推奨だな、と自分でも思いましたが、A医師には「できれば子宮を残したい」「腹腔鏡手術がいい」と伝えました。
ついでに、「春に医師が赴任してきたら、ここでも腹腔鏡手術できます?」と訊きました。
A医師は
「手術って、医者が一人来たからできるものじゃないよ。助手に入る医師だけじゃなくて、看護師や技師が慣れないと。開腹手術と腹腔鏡手術は勝手が違うから、春に赴任しても開始まで何ヶ月かチームトレーニングしないとできない。いま手術ができる病院に行った方が良い」
と、やっぱりお医者さんっぽい真顔で言いました。

言葉の端々から、「この状態で、腹腔鏡で核摘出は難しい」「早めに手術した方が良い」と考えているんだと思いました。
なんせ、サイズ、数ともに充実ですし。筋腫とっていくうちに、子宮自体が無くなりそうです。

けど、A医師は自分の主張を押し付けることも、こちらの希望を否定することもしませんでした。
話し合いの結果、
「まずは、グループ病院の婦人科を受診する。」
「そこで「内視鏡&核摘出」が難しいと言われたら、実施件数が多い大学病院に相談する。」
とし、グループ病院宛の紹介状を書いてもらいました。

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40代の医療従事者。夫あり、子なし。