子宮を全摘した話:手術日程を決めるまで

今回の手術の全体の流れは下記のような感じです。(いずれも2020年)

1月:主治医から術式の説明をうける(この時点では手術の意思表明なし)
3月:手術が受けられないかもしれないと動揺する
5月:手術の意思を伝え、予約をする
9月:術前検査
10月:手術&自宅療養

1月:主治医から術式の説明をうける

前回の手術(筋腫核摘出)は腹腔鏡手術。
術後まもなく、次回(全摘)は子宮鏡(膣から機器を入れて行う手術。お腹を切らなくて済む。膣式とも言う)で対応できると聞いていました。
変人かもしれないけど、違う術式で受けてみるのも良い経験かもしれないと考え、定期受診時の主治医からのお約束質問「手術する?」に対して、「もし、手術をするとしたら…、先生、以前全摘は子宮鏡でできるって話でしたよね?」と聞いて見ました。

そうしたらなんと
「え、そんなこと言った? 吼さんの場合は腹腔鏡だよ」
という返答。。。

ええええええ〜!?

YOU膣式って言ったYO!
入院期間も2日くらいで済むし、社会復帰も早いって言ってた!
「今回退院のびたから、子宮鏡でも退院のびそうだな…」と思ったの覚えてるもん!

…と心の中でぶつぶつ言いつつ、今回手術するとしたらどんな流れになるのかを聞いて、この日は帰宅しました。

主治医もわたしの経過だけを追っているわけではないので、細かいやりとりを覚えていなくても仕方ない。
それでもなんだか悔しいので、帰りがけに膣式子宮全摘術の適応を調べたら、自分は筋腫が育ちすぎていて、適応外でした…。
延々迷っていた自分が悪いのか?
…いずれにせよ、今回は腹腔鏡手術確定です。(もう一つ、お腹を大きく切る「開腹手術」がありますが、開腹は痛そうだし入院期間も長いので選択する気はありませんでした。)

それでも、せっかくなので違う方法で手術を受けたい気もします。(やはり変人か)
前回の手術から、婦人科領域の腹腔鏡手術には一つ、進展があったのです。
それは、「手術支援ロボット(da Vinci)」での子宮筋腫による子宮全摘手術が、保険適応(健康保険で手術が受けられるようになること。限度額なども適応になるので、ざっくり言うとお財布に優しい)になっているのです。

手術可能な病院限られてるから、転院することになるけど。
多分、機器を入れるための創の位置が違うから、それも調べて考えよう。

なお、この時は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に関して、「やっぱりヒト-ヒト感染していた」とか「指定感染症になりそう」とか言っていたあたりで、こんなに世界を変えてしまうものとは思ってしておらず、ちょっと悠長でした。

(保険適応の件は、機会があれば改めて別に書こうと思います)

3月:手術が受けられないかもしれないと動揺する

自分がCOVID-19の存在を知ったのは2019年12月でした。
その時は「武漢で謎の肺炎が流行っていて、死者も出ている」程度の情報しかなく、うっすらと「SARSみたいなものかな。正月までにおさまると良いけど。春節まであと約1ヶ月だし、それまでに鎮静化されないと輸入されそうだなぁ…」と思う程度でした。
そこから、あっという間に中国本土で感染が拡大し、マスク(特にN95)と消毒用アルコールが品薄になってバタバタし(職場が)、なぜかトイレットペーパーや生理用品が店頭から姿を消しました。

生理用品、子宮筋腫のおかげで過多月経なので、この頃は「お一人様一つまで」の札が貼られた「軽い日用」しか無い棚に絶望していたものです。「特に多い昼用」は買い置きが切れるまでに入荷するのか。入荷したとして、自分が買いに来れる時間帯まで残っているのか。マスクと違って洗って再利用できないしね。(←サージカルマスクを洗って使っていた)

紙不足が世間で問題になっていた頃、医療機関でも「医療資源不足」が問題になっていました。
「人(医師や看護師、それ以外の医療従事者)」「物(マスクやアルコールだけでなく、医療機器なども含む)」が足りない、今は足りているものも、いつ底をつくかわからない。
自分の体感値で、世間の皆様がCOVID-19を「今近くにある危機」として捉え始めたのが3月下旬に見えるのですが、自分の勤務先は2月中旬からピリピリしており、自分も今思うとだいぶメンタル削られていました。

この頃、対策も今より手探りでしたしね。

院内パンデミックが明日は我が身という状況で、手術や治療の優先順位が検討されていきました。ざっくり言うと「感染拡大の状況に応じて、緊急性の低い手術は後回しにしていきます」と言うことです。
当然です。
手術を受けたら身体がダメージを受け、抵抗力が下がります。患者の感染リスクが上がります。
元々、どんな手術でも「手術によってもたらされる良い効果(ベネフィット)と手術のリスクを比較検討し、ベネフィットが大いとき」にしか手術はできません。

このとき、ようやくわたしは気付きました。
子宮筋腫の手術って、緊急度低いよね…?」
…だって、死ぬ病気じゃないもんね。
痛くて貧血になるけど。
QOLは下がるけど。
何年も同居してるもんね。急がないよね。
COVID-19が収束しないと、手術できないかもーーー!

この事実は、すり減った自分の心にわりと滲みたのでした。

この頃、不妊治療を受けている職場のスタッフも
「採卵はしてくれるけど、戻してはくれないんですよ! 母体のリスクという問題ではないんです! 私には有効期限があるんです!」
と叫んでました。


ちょっと疲れたので続きは明日。。。

ところで。
見出し設定や「改行」の操作方法をさっき知りました。(最初に操作説明読まないから…)
自分の文章見にくいなぁと思ってた(笑)

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