日記｜父と

お父さんとビールを飲む娘、
父にウィスキーを贈る息子、
みたいなCMが多いなぁ、とテレビを眺めながら
明日が父の日と気づく。

まだ三年しか経ってないのに、
実家に帰っても父がいないのはもう当たり前で、
壁や天井に染み付いていたタバコの匂いもしなくなったし
定位置だったでっかい座椅子もない。
それでも
ときどきはダメな自分を父に嗜められたくなるし、
もっとダメなときは
「ほうか〜」と独特の相槌でぜんぶを肯定してほしくもなる。
街中で似た人を見つけたら、声が聴きたくなる。

わたしは歯並びの悪さが父に似てしまったのだけど、
最近は息子の歯並びがわたしに似てきていることに気づいた。
思いがけず父の存在を感じて苦笑いするのを、
息子は不思議そうに見ていた。

明日は瓶ビールを提げて実家に帰る。
できたらキリンラガーがいいな。

父との思い出を書いた詩集は一部こちらで読めます。
https://note.com/kohnohiroko/n/n4ad927f9601d

販売していた分はほとんど残っていないのです
また刷ろうか、どうしようか。