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【事例】あの静粛な場所で恐縮せずに気軽に質問できるチャットボット

チャットボットの事例をお届けします。

ドイツ銀行PalaisPopulaireについて

2018年9月、ドイツ銀行は、ベルリンにPalaisPopulaireと呼ばれる約1,000平方メートルのギャラリーを開設しました。かつてはプロイセンの王族のために建てられた宮殿でしたが、現在は芸術、文化、スポーツを体験したい人々のためのフォーラムとなっています。 PalaisPopulaireは、ドイツ銀行のコレクション、国際協力パートナーや個人のコレクションから、現代文化に教育を統合した幅広いプログラムを提供しています。

現代のデジタル需要

アートの世界は、観客の需要の減少に何年にもわたって取り組んできました。人々は、オンライン、スマートフォーンの画面、バーチャル環境により多くの時間を費やしているので、当然のことです。一方で、テクノロジーが進展する中で、美術館が訪問者を引き付けるためにできることは広がっていました。現代の美術館はデジタル環境に適応し受け入れることによって、今日観客との関係をどのように構築しているのでしょう。

デジタルアシスタント「MIA」

ドイツ銀行は、IBMが芸術機関に展開した複数のAI実装事例を認識しており、PalaisPopulaireが観客に根本的に新しい体験を提供できる方法を模索していました。そして、IBM CloudでWatson Assistantテクノロジーを使用するデジタルアシスタントを実装することを選択しました。PalaisPopulaireの既存のモバイルアプリ内にIBM Watson Assistantテクノロジーで構築されたのが、Museum Intelligent Assistant(MIA)です。音声ガイドとは対照的に、MIAは準備された音声クリップを使用しません。その代わりにIBM Cloudantデータベースに保管されている知識にアクセスし、WatsonAssistantテクノロジーを使って質問に答えます。

「Time Present — Deutsche Bank Collectionの写真」展では、9枚の写真の情報を提供しました。MIAが、観客のモバイルアプリを介して2,000を超える質問に答える準備ができています。これらの質問は、作品が作成された時間と場所などの基本的な質問から、アーティストの動機などの複雑な問題まで多岐にわたります。

観客は、MIAを使用して自分のペースで施設を探索できます。MIAを使用すると、展示品についてさまざまな質問をインタラクティブに行うことができます。

MIAの効果

PalaisPopulaireは、AIを使用して、訪問者にデジタル方式で高レベルのコンテンツを提供する方法を発見するとともに、観客に展示されている作品について学ぶ自由を提供する方法を発見しました。そして、ヨーロッパで初めてAIを美術教育に使用する機関となり、訪問者の体験を大幅に向上させました。

MIAの実装は、COVID-19発生の前に行われました。ウイルスが流行して以降も、この新しいAIテクノロジーにより、観客は展示物の前に立った瞬間に、快適にエンゲージメントを感じることができ、他の人から距離を保ったまま、このガイド付きツアーのメリットを得ることができました。

「MIAは訪問者とスタッフの両方から好評を博しています。多くの好奇心旺盛な観客がMIAの機能をテストして、それがどれほど賢いかを確認しようとしているのを目にします。若い訪問者はその体験に非常に熱心です。」サラ・バーンショーセン ドイツ銀行PalaisPopulaire副所長

PalaisPopulaireはIBM Watson Assistantテクノロジーを使用して、今後はより長い展示会でより多くのコンテンツにアクセスできるようにしたいと考えています。

本投稿は、以下英文の抄訳です。

美術に詳しくない人が美術館で鑑賞するときに、その人のレベルや価値観に合った質問を、恐縮せずに気軽にできるのはとてもよいことです。アートの世界のチャットボットは、アートのファン拡大に貢献するでしょう。

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