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先輩から言われた「赤ちゃんのお世話より仕事のほうが楽」という言葉

育児休暇に入る前、会社の先輩からこのようなことを言われた。

赤ちゃんのお世話より仕事のほうが楽だよ。仕事したいと思ったら早めに切り上げておいで

この先輩、使える制度はとことん使え、有給休暇は無駄にするなというタイプなので、決してメンバーが欠けるのが大変だから早く戻ってきてほしいと言ったわけではなく、自分の子育て経験から感じたことをそのまま言ってくれていたのだと思う。

この言葉を聞いて、わたしはよく理解できなかった。

仕事が楽しくないわけではないが、仕事大好き人間では決して無い。むしろ働かずに生活できるのであれば、その方が良いと思っている側の人間である。なので、働かずにお金が手に入る育休期間を短縮するなんてありえないなと思いつつ流しておいた。


実際に育休をスタートしてもうすぐ3ヶ月、仕事よりも子どもの面倒を見ている生活のほうが楽しいと感じているし、基本的には仕事のほうが大変だと思っている(育児が大変ではないといっているわけでもない)。しかし、仕事のほうが楽かもしれないと思うことが今までなかったわけではない。

一般に、赤ちゃんのお世話というと、

何で泣いているか分からないから大変そう

というイメージを持たれることが多いように思うが、この点はそんなに大変だと思ったことはない。赤ちゃんの発達段階的に、感情が細かく分かれていない(産まれたときは「興奮」だけ。3ヶ月にかけて「不快」と「快」が分かれてくる)と知識を得ていたから、赤ちゃん自身が自分がなんで泣いているのかよく分かっていないだろうと、気持ちが幾分か楽だった。また、泣いているときの動作を見れば、お腹が空いているのか、眠いのか、抱っこしてほしいだけなのかなどなど、何となくの判断はついた(もちろん外すことはあったし、嫌われてるのかなと落ち込むこともあったが)


では、どういう点で仕事のほうが楽だと感じたのか。

仕事では正解が1つではない。お客さんの課題や要件をヒアリングを通じて整理したり、それに対する解決策を提示するというプロセスの中で、自分なりの進め方や考え方を出していける。そこで失敗するのも成功するのもそれぞれ学びがあって面白い。

一方、新生児や月齢の若い乳児の育児では、正解が限りなく1つに近い。お腹が空いたらミルクをあげる。眠ければ寝かしつけてあげる。寝かしつけには、背中をポンポン叩いてあげたり、揺らしてあげたり、語りかけてあげたり、色々あると思っていたが、求められているものが決まっていて、自分の子どもの場合は結局歩いてあげることとたいてい決まっている。工夫の余地が殆どない。

誰がやっても一緒ではないか
仕事をしているときのほうが自分の価値があるのではないか

という気持ちが湧いてくる。仕事をしているときのほうが、「共同体感覚」が楽に手に入るというわけ。もちろん、信頼関係、愛着を形成するために必要な行為であって、後々の子どもの成長に大きく関わってくるし、それが将来の社会に貢献することに繋がるということは理解している。しかし、将来の報酬よりも目先の報酬のほうが大きく見えるということが時折起きるのだ。


冒頭に出てきた先輩が、同じ経験から「仕事のほうが楽」と発言したかは分からないが、大きな仕事をしている人、仕事が好きな人、責任の重い仕事をしている人はより強くこの事を感じるのではないだろうか。


最近の息子は、自分の手をひたすら舐めている。手が持ち上げられるようになったのが嬉しいのか、舐めてよだれだらけになった手をこちらに差し出してくるようになった。そんな小さな成長を感じながら、のこりの育休期間3ヶ月を楽しみたい。

以上。

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