神保町カレー探訪記「スマトラカレー共栄堂」
不定期連載の本記事「神保町カレー探訪記」。気がつけば、今回で5軒目。さすがにそろそろ、折りかえし地点にさしかかっているような気がしています(新規開拓もねらっていくべきでしょうか?)。
さて、本日紹介するのは、こちらのお店。「スマトラカレー共栄堂」。
神保町駅のA5番出口をでて、三省堂書店のある方向へすすんでいくと、100メートルもない距離に看板がみえてきます。お店は、地下にあります。
おとずれたのは、先週の、ある日の在宅勤務のお昼。
店内には、赤茶色の革張りのソファー席?椅子?がずらっとならんでいます。収容人数はけっこう多め。キチキチで40~50人くらいは入りそう。
メニューは980円のポークがいちばん安く、チキン、エビ、ビーフ、そして、すこしお高めのタン(1750円)などがあります。
わたしはここでも例によって、チキンカレーを頼みました(カレーはやっぱりチキンカレー)。
注文するやいなや(ほんとうに「するやいなや」)すぐに熱々のポタージュが運ばれ、それに手をつけるがはやいか、カレーもすぐに運ばれてきました。
写真だとつたわりにくいかもしれませんが、特徴は、そのルーの黒さ。わたしがこれまでにみてきたどこのカレーよりも、黒い。いや、黒すぎる。
変わっているのは、その見た目だけではありません。ルーの黒さに負けずおとらず、スパイスの効いたその味も、ほかのインドカレー、あるいは欧風カレーとはまったく異質なたたずまい。
さて、この味をどうつたえたらよいものか…。ほかのスマトラカレーと比較しておつたえしたいところですが、あいにく、わたしはこのお店以外に「スマトラカレー」を食べたことがありません(なお、お店のHPには、「日本で唯一のスマトラカレー」の文言が)。
ただ、ひとついえること。それは、ここのカレーの味は、まさに「ディスティンクティブ」だということ。もし、神保町カレーの「利きカレー」をしたとして、おそらくもっとも最初にわたしがその味を特定できるのが、ここ、共栄堂のカレーです。
唯一無二。しかし、その唯一無二であることをことばではとうてい表現できないもどかしさ。どうやら2020年の食べログ百名店にもこちらのお店は選ばれているようですが、おそらくリピーターのかたたちは、「うまく説明できない、だが、あきらかにほかとはちがう」このお店のルーの味に、虜にされているのにちがいありません。
それにしても、スマトラ島(フィリピン)とカレーって、どのようなつながりがあるんでしょうね。
それはインドから伝播したのか、あるいは独自の文化なのか?
がぜん、カレーの世界史が気になるところです。
最後までお読みいただき、まことにありがとうございます。いただいたサポートは、チルの餌代に使わせていただきます。