朝ごはんを考える、ぼくと、君へ。
今朝、冷蔵庫を開けた。
中にある食材を一通りみて、扉を閉めた。
冷蔵庫の横にある棚に、妻がほぼ毎日食べている『ケロッグ コーンフロスティ264g』が置いてあった。
パッケージには、「期間限定10%増量」、「ミルクがおいしくな〜る!ミルクdeマジック!」とトニー・ザ・タイガーが、魔法使いの格好をして、スティックで、シリアルにミルクという魔法をかけている。ハロウィンの時期でもないのに、どうしたトニー。
ちなみに、トニーは、1963年に日本にやってきて、当時は「とらチャン」という名前だった。顔も今と全然違う。ふっくらしていて、全然、トニー・ザ・タイガーじゃない。年月を重ねて、今の姿になったようだ。にしても、全然違う。
いや、そんなことよりも先に解決しなくてはいけないことがあった。寝起きで、すごくお腹が空いているので、何かを食べたいのだ。
コーンフレークを食べるかと思い、再び、冷蔵庫を開けた。
ミルクがなかった。
代わりに、ほぼ毎日飲んでいる、調整豆乳(濃厚)はあった。
豆乳コーンフレーク。食べ合わせとしては、悪くないし、以前食べてみて、意外においしかった。でも、きのうも同じものを食べていた。
また、冷蔵庫を閉めた。
これから買いにいくには、いろいろ不都合があった。そもそも、スーパーがまだ開いているかいないか微妙な時間帯。そして、ぼくはパジャマだった。
パジャマ姿でサンダルで、いっそ買いにいこうか。
ベランダの窓をみた。天気がどんよりしている。窓は締め切っているが、外では、ざぁざあ鳴っている。強風につき、雨が横に降っている。
パジャマ姿でサンダルで、雨風にさらされる、じぶんを想像した。映画『ショーシャンクの空に」みたいに、脱獄に成功して、思いっきり雨に濡れて自由を全身に感じるテンションでもない。
いや、そもそも、そんなことを寝起きの朝方にやろうなんざ考えていたら、頭がおかしい。
わざわざ着替えてサンダルで、雨風にさらされる、じぶんはどうだ。わざわざ着替えて濡れて帰ってきたら、身体が冷えた状態になるだろう。濡れた服は、結局、洗濯するはめになる。この選択肢は却下だ。
妻が、今日はコーンフレークではなく、賞味期限が近い厚切りベーコンと目玉焼きを焼いていた。
フライパン上の油の跳ねる音が、妙に耳に残る。目玉焼きとベーコン、そしてトースト、さいこうの組み合わせではないか。
「君も、食べたらいいじゃない、ベーコン賞味期限近いし」と妻に言われて、うーん、その選択肢もありだなと、いったん考えた。
いや、午後に、じぶんでホットサンドをつくるから、トーストの選択肢は、あえて外しておきたい。ごはんが炊いてあれば、ベーコンと醤油をかけた目玉焼きに飛びついただろうが、生憎、炊飯器の中は空っぽだった。ベーコンと目玉焼きは、今日は諦めて、日をあらためるとする。
雨風はしばらく落ち着きそうにない。ミルクは、午後の天気が落ち着いたタイミングで、他の食材と一緒に買い出しにいこう。
明日の朝ごはんは、ミルクコーンフレークで決まりだ。ちょっと、たのしみだ。
ん、いや待て、明日の朝ごはんが決まったからといって、今の朝ごはんが決まるわけではない。
ふりだしに戻った。
朝起きて、10分ぐらい、キッチンで冷蔵庫を開け閉めして、ああだこうだ考えていた。じぶんのお腹が早く決めろとせっつく。
困った時に、いつも手を出してしまうのが、即席でつくれるシリーズだ。
茹で時間7分の太めパスタと、和えるだけの市販パスタソース。
ミートソースはおととい朝食べた。バジル、明太子、たらこ、いろいろ種類はあったが、それらは気分ではなかったので、カルボナーラを選択した。
ただ、和えるだけパスタソースには、いくつか不満があった。いろいろ足りないのだ。
和えてる間に、パスタが冷めてしまう。メーカーによっては、味が薄いことがよくある。具材がそんな入ってない。ソースだけでからめると、べちゃべちゃして食べづらい(つるっとしてなく、どうも食感がよくない)。
ぼく軽くクレーマー。
フライパンの上で、ガスの熱を加えながら、和えるだけパスタソースと茹であがったパスタ、オリーブオイルとか、いろいろ混ぜたら、それなりにおいしいパスタが出来上がると想像はつく。和えるだけトマト系ソースで、過去実際やってみたら、おいしかった。
ただ、よく考えてもらいたい。もはや、それは即席でつくれるシリーズと言えるのだろうか。よりおいしく食べられれば、ぼくもそれが一番いいのだが、今はそんな状況じゃない。空腹に耐えている我が胃袋が待っているのだ。
今回は、和えるだけの手軽さがウリのソースをわざわざ手間をかけるのは、承服しかねた(まぁ、実際めんどうだなというのが、正直ところ)。
一方で、クレーマーとして、ただただ文句を言いながら、食べるのも、それはつまらない。なので、ちょっとだけ手間を加えることにした。
皿に、ナチュラルチーズをざっくり敷いて、その上に、茹であがったパスタを盛る。そして、和えるだけパスタソースとオリーブオイルをぐるんとかけて、半ば強引に、彼らの2人のタッグで、チーズを巻き込んでしまうのだ。
最後、風味づけに、オレガノ、塩胡椒をかけて仕上げだ。香辛料は、こういう即席でつくれるシリーズとトッピングを組み合わせときに、うまいこと間に入ってくれる。
今日の寝起きの時間は、けっこう、それなりに、いそがしかった。
でも、ごはんを考えるのは、めんどうだけど、考えるのはたのしい時間。
さぁ、午後のホットサンドは何にしようか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。久しぶりに、『ショーシャンクの空に』を観てみようかな。
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