嫌われる営業マンの条件と嘘
「営業先の社長との心の距離が縮まらない」
そんな”迷える仔羊営業マン”はいないだろうか?これ、まさに昔の自分。新卒入社した会社でぶっちぎりのドンケツでした。だからこそ気持ちがわかる。
今日はそんな元迷える子羊営業マンだった社長が、営業を受ける立場になってはじめて見えたきた営業マン像についてお話します。
営業マンには2種類の人種が存在するなと。
それは、
好かれる営業マンと嫌われる営業マン
今回はそのなかでも『嫌われる営業マン』にフォーカスして彼らに共通する条件を個人的見解から公開します。さらに、世間では当たり前と言われてるけど実際は違うある嘘についても。世の営業マン、ビジネスマンたちには最後まで見て欲しいなと。
嫌われる3つの条件と1つの嘘
【嫌われる3つの条件】
①話し方で嫌われる(不快にさせる、興味が湧かない、余裕がない)
②事前準備で嫌われる(何も知らない、段取りが悪い、アピールウザい)
③批評批判で嫌われる(他社の批判はマジでどうでもいい)
【嫌われる1つの嘘】①親切丁寧に対応しないと嫌われる、は嘘
最前線で業務に関わっていたときは毎年50〜60人ほどの営業マンから営業を受けていました。そのなかで気づいたことがこの4点です。
①話し方で嫌われる
まずは基本中の基本、話し方で嫌われるパターンから。トゲがあったり相手を不快にする話し方しかできない営業マンは多い。よくある例が、
『マウントを取りたがるマン』
『なんでも否定したがるマン』
『沈黙に耐えられないマン』
数あるなかでもこの3つを理解してるかどうかで相手に与える印象は大きく変わる。それぞれの特徴や注意点をまとめてみます。
■マウントを取りたがるマン
高圧的に話したりトゲのある言い方をする営業マン。いわゆる空気が読めない読もうとしないのがマウント取りたがるマンです。この手のタイプに足りないのは『想像力』。
無表情で話すのと笑顔で話すのとどちらがいいか?
ぶっきらぼうに話すのと愛想よく話すのはどちらがいいか?
想像力があればこのジャッジは子供でも可能ですが、できない人があまりにも多い。心当たりがある人は相手の気持ちを想像してから話すクセをつけてください。もしくは理想の営業マンの真似をしてもいいかなと。
【POINT】想像力の鍛え方
・相手の立場や感情を考える習慣をつける
・理想の営業マンの真似をする
■なんでも否定したがるマン
こちらの言ったことに対して「いや、そうじゃなくて」とか「いや、ちがうんです」とか「いや」が口癖になっている営業マンは要注意。こちらは同調力が足りてないパターン。
相手の言葉に「ありがとうございます」と受け止める。
相手の言葉に「そういう考え方もありますよね」と受け止める。
ひとの価値観は千差万別。自分の考えこそ正義という思考は捨てた方がいい。そんな返答をしたら相手はどう感じるのか考えるクセをつければ同調力は養える。マウント取りたがるマンでも言いましたが、言葉を発する前に考えるクセをつければ否定しすぎて相手に嫌われることはなくなります。
注意して欲しいのが『相手に合わせるではない』ということ。言葉をしっかり受け止めながら自分の考えや主張もしっかり伝えることが重要です。
【POINT】同調力の鍛え方
・否定からはいらない
・相手の言葉に理解を示していることを口に出す
・そのうえで自分の意見や考えをしっかり伝える
■沈黙に耐えられないマン
沈黙にはいい沈黙と悪い沈黙がある。いい沈黙は相手が思考する時間や、次に話す言葉が決まっているなかでの沈黙。悪い沈黙は相手にとって不必要な沈黙、次に話す言葉が決まっていないなかでの沈黙。嫌われる営業マンはいい沈黙の使い方がヘタクソです。
もしも興味のある商談の最中に、
...マシンガンのように質問する間もなく喋られたら?
...目的や意図のないどうでもいい質問を連発されたら?
メリハリのない一方的な商品説明ほど苦痛なことはないし、時間稼ぎに無意味な質問を投げつけられるほど不快なものもない。沈黙をコントロールする第一歩は『焦らない』『慌てない』『ゆっくり話す』。なんとか話をしなければという気持ちがいい沈黙をかき消します。気になることを気になる時に聞く。いい沈黙は存分に使いながら興味のあることを聞くクセをつけてください。
【POINT】いい沈黙と間の作り方
・ゆっくり、丁寧に、落ち着いて話す
・相手が考える時間を沈黙を恐れずに作る
・相手に興味を持てば意味のない質問がなくなる
②準備不足で嫌われる
嫌われる営業マンの特徴として必ずあがるのが準備不足。その中でも致命傷になりかねないパターンがこちら。
『相手のことを調べてない』
『資料などの段取りが悪すぎる』
この2つに気をつけるだけで嫌われる営業マンから脱却できます。実際にあった事例と解決策を書いていきます。
■相手のことを調べてない
あなたが経営者で自分の会社のことを何も知らない営業マンに仕事を依頼したいと思うでしょうか?
こちらが何をやっているか全然わかってない...。
調べればわかることを何度も聞いてくる...。
初回訪問では会社のホームページは最低限チェックしておきましょう。興味度や見込みの高い訪問先であれば、出版されてる本、web掲載されているインタビュー記事、各種SNS、競合他社の情報までチェックしておきたいところ。調べれば調べるほど印象はよくなるからやりすぎぐらい調べてください。
調べてきたことはアピールすること
会話の中で自然と「こいつ相当調べてきたな...」と思わせるのが理想です。こちらから調べてきましたアピールするのは粋じゃない。本当に調べてたらわざわざアピールしなくても勝手に伝わります。過度なアピールは厳禁です。
【POINT】事前リサーチ術
・最低限ホームページ、その他アプトプットされてる情報を調べまくる
・自分から知ってるアピールはしない
■資料の出し方がどんくさい
地味だけど大切なことがこれ。
提案資料が見つからなくてカバンをガサガサ漁ってる。
出したと思ったら「あ、間違えた!」とか言って待たされる。
はっきりいってこの時点でないなぁと思います。どうでもいいことだと思いますか?いいわけがない。準備が足りないということであり、一緒に仕事するときも準備してこないんだなと思われる。たかが資料、されど資料です。
文字にしたらめちゃくちゃ当たり前な解決策を書きます。名刺も資料も事前に机に出しておく。資料はすぐに見つかるようにファイルに分けて整理整頓をしておく。当たり前のことですが、事前に段取り良く準備しましょう。
【POINT】スマートに資料を出す方法
・名刺や資料は事前に机の上に出しておく
・資料はすぐに取り出せるように整理整頓しておく
③批判批評で嫌われる
競合他社を批判する
勘違いしているひとが多いのがこれ。自分たちに有利に話を展開しようと競合他社を陥れるような発言をしたり、他社サービスの悪口を言ったり。これほとんどのケースで逆効果です。
あそこのサービス大したことないですよ。
あの会社はクレームが多いらしいですよ。
相手を下げることはつまり自分たちの価値を下げるということ。逆の立場になって考えてみてください。いいなと思って現在取引している取引先を初対面の営業マンに批判されていい気持ちがするでしょうか?他社批判は営業マンにおいて絶対的にタブーです。
批判するんじゃない、むしろ褒めろ
「〇〇社のデザインが素晴らしいですよね」「〇〇社のキャッチコピーはピカイチですよね」競合他社とぶつかったときは、相手のいいところをむしろ褒めるくらいがいいです。そのなかで「僕たちも負けていません」という流れで自社の強みをアピールしましょう。
【POINT】他社批判せずに印象を高める方法
・競合他社は褒める
・その上で自分たちの強みを伝える
嫌われる1つの嘘とは?
最後に営業の現場では当たり前と思われ、自分自身もそう信じて疑わなかったことで、実際には違ったなという本当は嫌われない1つの嘘についてお話します。こんな話を聞いたことはありませんか?
親切丁寧に対応しないと嫌われる
正直にお伝えして、これは本当ではないな、というのが15年営業を経験して感じることです。出来るだけ失礼のないように、相手が突っ込まれて嫌なことには触れないように、それが営業だと思っていました。
むしろ図々しいくらいが好かれる
でもこれ実際は違います。気を使えば使うほど、営業マンとお客さんとの心の距離は離れます。腹を割って話せない相手に、大切な社内の情報を伝えるわけがありません。課題を解決するためには、時に耳の痛いことも、言いにくいこともズバリと伝えていく必要があるし、顧客の成果のためにこれは必要不可欠です。
最低限の礼儀作法、そして相手へのリスペクト
守るべきは最低限の礼儀作法でOKです。挨拶をしっかりするとか、基本的な敬語を抑えて話をするとか、話の内容については気を使わないこと。もう一つ一番重要なことをお伝えします。『相手に対するリスペクトを持つこと』。嫌な相手から厳しいことを言われると腹が立ちますが、好きな相手の言葉は素直に聞けるものです。そのリスペクトを行動で示す一つの手段がどれだけ相手のことを調べるかにもつながります。
【POINT】親切丁寧にしなくても嫌われない営業マン
・気遣いはすれど気を使い過ぎない
・最低限の礼儀は守る
・相手に対するリスペクトを行動で示す
このnoteは、私が体験したビジネスの生の情報をお届けし、今日からすぐに使える、スキルアップにつながる発信を目的としています。こういった内容について聞きたいという要望があればぜひコメントいただけると嬉しいです。
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