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解像度を上げるには

「解像度を上げろ」

「言語化しろ」

スタートアップをやっていると、こんなことをよく言われます。自分たちが取り組む事業に対して、徹底的に言語化して、解像度を上げていくことが成功確率を上げていくために必要らしいです。

この指摘が的外れなことが多かったらスルーできるのですが、やっぱり百戦錬磨の投資家や起業家の方の指摘は納得する部分が多いです。のでので、僕らも言われたことを胸に、解像度をあげる作業をせっせとしています。


解像度とは何か?

「解像度を上げろ」と最初に言われたとき、「解像度ってなんだろう?」とふと疑問に思いました。なんとなくは理解できるけど、ちゃんと自分の言葉として定義したいなと思ったので、色々と考えました。

解像度とは、ビットマップ画像における画素の密度を示す数値である。 すなわち、画像を表現する格子の細かさを解像度と呼び、一般に1インチをいくつに分けるかによって数字で表す。(wikipedia引用)

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ふむふむ。公式な意味は、画像の綺麗さのことなんですね。画素数とか、きっとそういう系ですね。なんとなくわかってきました。

では、「事業の解像度を上げろ」とは一体どういう意味なんでしょうか。

やはり意味は同じで「ぼんやりしてた輪郭をくっきりと見えてくるようにしていこう!」だと思いました。

イメージは、何かを説明するときに、”記憶を頼りに思い出しているとき”と、”目の前に現物があって説明しているとき”の違いかなと思っています。

例えば、「高校時代の教室を説明してください」と言われたときに、記憶を頼りに思い出してもなんとなくの輪郭は思い出せますが、細かいところまでは中々説明できない人が多いと思います。一方、当たり前ですが、実際に高校の教室を見学した後であれば、細部までしっかりと説明できます。前者は解像度が低くて、後者は高いです。

また、現物を見れない場合は、質問によって解像度を上げていきます。

・黒板はどこにあった?
・後ろの壁には何が飾ってあった?
・机に引き出しはあった?
・どんな椅子だった?
・先生の机はどんな形?
・床は綺麗だった?
etc…

こういった質問をとにかくぶつけて、ぼんやりしてた記憶を呼び覚ましていくことで、解像度を上げていきます。

こういった形で、現物を見たり、質問を繰り返すことで、輪郭をはっきりとさせていくことが「解像度を上げること」なんだと思います。

事業も同じで、まだ見ぬ未来の仮説に対して、まるで現実かのように見え、説明できるまで、試行錯誤を繰り返しながら解像度を上げていくことが大切です。


解像度を上げるには?

僕も今まさにその行為の真っ最中なので、正解かどうかはわかりませんが、色々と試行錯誤をしていく中で気をつけていることを書いていきます。

①外部の声を聞く
②曖昧な言葉を使わない
③質問から逃げない
④ファクトを見つめる

一つずつ説明していきます。

①外部の声を聞く

自分で考えられることには限界があるので、投資家や先輩起業家など、自分より知識や経験がある人に壁打ちする作業はめちゃくちゃ大事です。

自分では見えていない観点で指摘をもらえるので、考える幅が広がります。また、関係ない第三者や、ユーザーの声を聞くことも、視野を広げる意味では有意義です。

考えすぎると、”もう何がなんだかわからない”という変なドツボにハマってしまうことも多いので、フレッシュな視点を入れることで、また先の議論に進めることもあります。


②曖昧な言葉を使わない

普段当たり前に使ってる単語でも、一つ一つの言葉をしっかりと定義し直していくことが大切です。言葉の定義というのは、人によって微妙に異なっています。

また「既存の○○よりこの作業が”簡単”になります!」と説明したときも、「何がどれくらい”簡単”?なんで”簡単”になるの?」といった様に、その背景にあるロジックが必ず必要となってきます。

なので、曖昧な言葉を使わず、一つ一つをちゃんと深堀りしていく必要があります。


③質問から逃げない

外部の声を聞くに関連しますが、色々な人に聞くと、色々なことを言われます。そして、自分の説明不足も相まって、「いや、これはこうなんだよ。なんで伝わらないんだ!」と思うことも多々あります。けど、言い訳して逃げちゃダメだと僕は常に心に言い聞かせています。

言ってしまえば、自信満々の事業内容にガンガン突っ込まれるわけなので、自信たっぷりの起業家からしたら、目を背けたくなるのも当たり前です。ですが、こう言った一つ一つの質問(指摘)に対して、真摯に向き合うことが大切です。

自分が咀嚼でき、納得できるまで質問した上で、一つ一つの答えを用意することで、解像度が上がっていきます。


④ファクトを見つめる

これは、教室の例で言う”現物を見る”と同じで、過去出てるデータやユーザーの声をしっかりと見つめることで解像度は劇的に上がっていきます。

例えば、海外にある同じ様なサービスのUIや戦略を見たり、ユーザーにデモを使ってもらう様子を撮影したり、とにかくファクトを収集し、徹底的に見つめます。

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以上、4つの気をつけていることです。

ぶっちゃけ「ああ、わからん!!」と思う様なことも多いですが、解像度が少しでも上がった瞬間はパズルのピースがはまった瞬間の様な感覚で、「うわー、これかも!」とすっきりした気分になります。その気持ちを味わいたくて、日々うんうんと唸ってます。


言語化できないはサボりだ

「解像度を上げていく=言語化していく」だと思っています。

特にスタートアップの事業は、まだ見ぬ未来の仮説なので、言語化が難しいです。そして、言語化できたとしても、中々理解してもらうことも難しいかもしれません。ただ、それで言語化を諦めるのはサボりだと思っています。

そもそも、事業を進めることは永遠に言語化をしていく(解像度を上げていく)作業だと思っていて、どれだけサービスが大きくなっても、次の戦略をは常に未知なわけで、未知は言語化できないは通用しないわけです。

未知なりに、過去の経験や事象を集め、言語化し、説得力を持たせていくことが常に求められます。なので、いつまで経っても解像度を上げる作業からは逃げられないわけです。

いやあ、頑張りたい。

僕も解像度を上げていきます。

何か参考になることがあれば幸いです。もし、少しでも良いなと思ったら、いいねやSNS等でシェアいただけると嬉しいです!

おわり。


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三井滉平(@koheimitsui_)
demmpa,inc 代表。EC・D2C領域でサービス作ってます。その他に、オンライン手紙作成サービスtegami / U25の起業家コミュニティー未来起業家交流会 もやってます。【スタートアップ起業家の日常や学び、苦悩を呟きます。】


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