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”多様性の尊重”ブームに抱く疑問

僕は「多様性を大事にしよう」とか「多様性のある組織にしよう」といった言葉に少し違和感を覚えます。最近特に、多様性ブームな気がして、至る所でその言葉を聞きます。

もちろん、色々な価値観の人が集まる組織は楽しいと思いますし、多様性のある組織は好きです。僕自身、自分が経営する会社も色々な人たちが集まる場所にしていきたいとも思っています。

けど、”多様性”というのは結果であり、大切なのは”多様性の尊重”ではなく、”少数派(マイノリティー)の尊重・許容”だと思うんです。



マスではなく”1”を

“多様性”という言葉は集団を指す言葉なんですね。まあ、少数派(マイノリティー)もそうですが、、。

なので僕は、”1”を尊重し続けた結果、”多様性”という集団になるものだと思っています。多様性は外から見た時、ラベリングしたときに初めて言われる言葉であって、ここを目指すことは本質的ではないんじゃないかと思います。

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僕は現在3名でスタートアップをしていますが、”好きだった”からの理由もありますが、”起業せざるを得なかった”から起業したところも大いにあります。

週5で社会人と同じように長期インターンに3社ほど行きました。どれもいい人ばかりで、やってる内容も面白くて、成長できる環境だったのですが、2ヶ月以上続いたことがありません、、。ある時から、家から出れなくなって、どうしても職場にいけなくなるんですよね、、。

僕は、この辺の経験から、自分が生きていくには”自分が代表で何に気兼ねする必要もなく振る舞える起業しかない”と思うようになりました。まだやることが決まってないのに、消去法で起業を選びました。

社会人で働いている人からしたら、他の人から見たら、甘いと思われたり、理解できないと思われるかもしれません。けど、世の中には、”他人には理解できないけどその人にとってはマジで無理なこと”ということが山ほど存在しています。

人間的・仕事的な課題ではなくて、頑張っても治せない(治すのに相当時間がかかる)モノです。ADHDやアスペルガーなどの症状はまさにで、いくら頑張っても遅刻してしまう人はいて、みんなが出来るのに、その人にはどうしてもできないことがあります。

僕も一時期、「みんなは出来るのになんで出来ないんだろう?」と悩み、興味の幅が狭かったり、ルーティンに異常に拘ったりと、軽くアスペルガーみたいな症状あったので、病院に行ってみたこともあります。(結局、途中で「まあどっちでもいいか」と思い、診断は最後まで受けずに行くのやめましたが。)

なのでなんか、気持ちが少しわかる気がするんです。どうしてもできないことがあるとか、他の人には理解されないこだわりがあるとか、みんながいる場所はなんか居心地が悪いとか、そういう気持ちです。

だからこそ、僕は自分含めそういう人たちが最高に気持ちよく働ける会社(組織)にしたいなあと、起業する時からずっと思っています。今はまだ3人ですが、この先人が増えても、その価値観は大切にしていきたいです。

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で、そんな組織(多様性のある組織)にするにあたって、(まだ3名ながらも)大切にしていることは、「1人に向き合う」ことなんですよね。「この人は何が得意で、何ができなくて、どんな価値観を持っているのか」をずっと意識しています。

所詮、人は人、自分は自分なので、他人の価値観なんて100%理解できるわけはないです。けど、大切なのは、「価値観を100%理解しあえない」をお互い前提の上で、それでも相手の価値観を聞き、尊重することだと思っています。

そして、その”1の尊重”を繰り返した先に、結果”多様性”がある組織になっていると信じています。



”多様性”は諸刃の剣

どう考えても”多様性”のある組織は、制度設計やマネジメントが難しいと思うんです。(いや、どこまでを多様性と呼ぶかに尽きるんですが)均一的な人たちの方が一律な制度設計できますし、同じようなマネジメントスタイルを使うことができます。

僕は、小中は学力に関わらず地区で決まって、高校から受験がある地域で育ちましたが、どう考えても多種多様な人が存在する小中の方が先生は大変だろうな、、と思いました。高校になると、ある程度同じ学力の人が集まるので、中学に比べたら制度設計に関しては楽だったと思います。

これと同じで、”多様性”を目指すことは、とんでもなく大変な作業で、とてつもない労力を生むのだろうと思います。外国の人が1人入っただけで、文化や慣習の違いで、色々な問題が起きそうですからね、、。

そういう諸刃の剣の側面を踏まえて上で、それでもなお”多様性”を目指すかどうかは、好みなのかなと思います。会社の存続(=イノーベーション)のためには、多様性は大切と言われていますが、それも普段からずっと多様性を生まなくても、なんかいい感じにできる気もしてます。(急に雑、、。)

ただ、個人的には、自分の経験も踏まえて、色々な価値観を持つ人たちが最高に働きやすい職場にしたいという想いがあるので、多様性のある組織は目指していこうと思ってます。そのために、1を尊重できる組織文化を今から作っていきます。

今は“多様性の尊重”ブームですが、多様性の尊重と言ってる限り、本当の意味での尊重はなく、1人1人を尊重した結果"多様性"になるが正しい気がします。そんな疑問・違和感を感じていたので、言葉にしてみました。


何か参考になれば幸いです。(もし少しでも参考になったと思った方は、SNS等でシェアしていただけると、とても嬉しいです!)

おわり。



-----オシラセ-----

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三井滉平(@koheimitsui_)
demmpa,inc 代表。EC・D2C領域でサービス作ってます。その他に、オンライン手紙作成サービスtegami / U25の起業家コミュニティー未来起業家交流会 もやってます。【スタートアップ起業家の日常や学び、苦悩を呟きます。】


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