色んなバイクに乗って視野を広げること

 違う種類のバイクに乗って身に付けた事が思わぬところで活きたりしますよね。MTBで身に付けたこと、CXで身に付けたこと、ロードで身に付けたこと、僕はあれこれフル稼働でレースを走ってきました。最近ではMTB出身の選手が活躍していたり、シクロクロスとロードの両方で活躍する選手や、U23までオフロード走ってたという選手が世界的に目立ちますね。今回はMTBベースの僕が色んな種目をやってどう感じ、気づいたことを書いていきたいと思います。

 僕の自転車の始まりはMTBでした。ずっとクロカンをやってきて、シクロクロスに初めて出たのは高校1年生の時、当時チームメイトの沢田時選手に勧められてMTBで関西クロスのC3に出たのが最初でした。この時僕は2位で、優勝したのは現愛三の岡本隼選手で、沢田選手はジュニアの40分縛りC1でトップを爆走していました。強すぎて正直意味が分からなかったです。笑
 そうして翌年からはシクロクロスにも参戦するようになりました。ロードを軸にする選手の速さと強さに対抗するにはどう立ち回るか悩まされました。そして、最後に始めたのがロード。自分なりに良いとこ取りをしようとした結果がここ数年の僕の走りでした。

 小学生からMTBに乗ってきた僕ですが、完全にテクニック先行型で、登りはとても嫌いでずっと遅かったです。ウィリーしたり、バニーホップしたりは楽しくて一日中練習したりもザラで、血豆潰れて手のひらが血まみれなんてこともよくありました。飽き性な僕は楽しいことはずっとできますが、ただキツいだけの登りは本当に嫌いで、遅かったです。同じ理由で体育であった中長距離走も嫌いでした。ただ負けず嫌いなのでレースではいい成績を出したいという気持ちもあり、得意だったバイクコントロールを前面に押し出して走るレーススタイルでした。よくこれでジュニアでアジア選手権勝てたなと、今でも不思議に思ってます。
 シクロクロスを始めてからは、バイク裁きと加速のダッシュで立ち回りを考えるようになりました。パワーとスピードではロードをベースにしている選手には勝てないから、自分の土俵に持ち込むように考えてレースを組み立てるように。ある程度は走れましたが、コースの得意不得意でかなりリザルトが変わりました。平坦踏みコースはどうしようもなくて。レベル的にはU23で出場したTaborの世界選手権はギリギリ完走という感じでした。まぁマテューとワウトはその時既にエリートで出場、1,2位でしたが(笑)。このあたりがバイク裁きだけで来れた限界値かなと。ただスピードも無く常に後手なので勝つのはかなり厳しいです。
 そして最後に始めたのがロード。ここで気づいたのが、登りよりも平坦が絶望的に遅いこと。今まで考えることもなかったフォームによる空気抵抗。平坦のスピードや登坂力といった根本のフィジカルアップと、ペースの作り方は非常に勉強になりました。踏むべきところとそうでないところ、MTBのコースの中に自分なりに考えて取り込んだことでCJシリーズも勝てるようになりました。ただ、ロードに乗る方に偏りすぎてバイクの扱いは下手になりました。バイクの重心に乗ること、ブレーキングの基本は身についていたので、下りやコーナリングはアドバンテージがあったかなと思います。90分フルガスのMTBがベースにあると、インターバルの続くアップダウンのコースは割と得意で、修善寺とかは相性よかったかなと思います。3時間、4時間というレース時間の違いに対応するのが難しかったですね。

 いろんな種目に触れることで収穫もありましたが、身体が追いつかなくなることもありました。1シーズンまともに走れず棒に振ることもありました。2020年もそうですね。そのあたりは、メインを見失わないように、スケジュールを立てましょう。ホビーでも違う種類の自転車に乗ることは、楽しみの幅も広がりますし、得るものも多いですし視野が広がると思います。

 最後に、ざっくり各分野から身に付けた、取り込んだことをざっくりまとめます。

・MTB:僕のベース。バイクコントロールやトラクションコントロール、バイクを扱う基礎とインターバル耐性

・CX:泥裁き、轍をトレースする乗り方。僕場合は基本的にMTBスキルの応用で走ってる。

・ロード:平坦、登りの基礎走力。ペースの作り方。空気抵抗への意識

 細かく言えばキリがありませんが、おおざっぱにはこんな感じ。最後まで登りは嫌いでしたが、E1のヒルクライムレースでは着に絡めるくらいにはなりました。レースでの走りの幅、自転車の楽しみの幅を広げるために別の自転車にも乗ってみてください。トラックやBMXは通ってこなかったですが、機会があればやりたかったなと思っています。

 僕は今エンデューロバイクとDJバイクが欲しいです。笑

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