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今日も誰かの誕生日
「悪い事があれば良い事がある」
「良い事があれば悪い事がある」
この手の言葉を聞くたびいつも思う。
人生はそこまで平等に作られていないだろ、と。
産まれてからずっと恵まれている人もいれば、
産まれてからずっと不幸続きの人もいる。
人生に運の一定量が存在するのであれば、
出会ってからずっと災難続きの友達K君は、今頃大金持ちで順風満帆になっていないと割に合わないし、
出会ってからずっと勝ち組人生を送っている友人I君は、今頃道端で凍えて生活していないと割に合わない。
どこかの作家が「人生はギャンブルだ」という名言を残しているが、この言葉はしっくりくる。
パチスロで稼ぐ人もいれば、
パチスロで破綻する人もいる。
人生というのは、つまりはそういうことなのだ。
ただ、これは神が与えたせめてもの平等性だと思えることがある。
それは誕生日だ。
生物学的にいうと、人間は他の生き物と違って、日付の概念が明白に存在し、生まれた日時を記録するという賢さもある。
うちで飼ってるめだかなんて、水槽でいつの間にか卵を産んで、気づいたら赤ちゃんがスイスイ泳いでいる。母メダカなんてそれが自分の赤ちゃんだって認識もしてないものだから、赤ちゃんを食べようとするから困る。
人間ではありえない。いつの間にか自宅で赤ちゃんを産んで、気づいたら庭で赤ちゃんがマラソン選手並みに走っている。母人間はそれが自分の子供だとわからず、その人に「今日は駅伝ですか?」と声をかけるようなもの。恐怖だ。
人間は神から与えられた賢さのおかげで、誕生日という文化が生まれる。
これは本当に幸せなことなのだ。
キリンジの曲で「今日も誰かの誕生日」という曲がある。
流れ星が一つ
街のどこかに落ちた
何かが起こりそうな
夜霧は包む
懐かしの近未来
世界は憂鬱
いつでも残酷
だけど今夜は最高
Birthday party's on
贈るよ this song for you
祈りを捧げたくなる夜
Birthday party's on
踊るなら cheek to cheek
嬉しい日がみんなにひとつずつ
Happy birthday to everyone
歌詞抜粋
世界は憂鬱、いつでも残酷。
本当にそう思う。
人生は水泳のような感覚に似ている。
水の中で息を止めていると辛いように、
憂鬱で残酷な日々を過ごす。
息を止めるのが辛くなったら息継ぎをするように、
蓄積した疲れやストレスを解消するように気分転換を行う。
“生きる=日々の理不尽を乗り越える”だと思っている僕は、
楽しいけれども、生きるのはなんて疲れることなんだろうと毎日思っている。
それでも、浮かれて、調子に乗って、その日を楽しみ、他 364日のことなんて忘れて、自分を労い、歌ったり踊ったりするのが許される日、それが誕生日。素晴らしい一日だ。
人によっては、
歳を取りたくない。
誕生日が嫌な思い出に結びつく。
人生の目標がある為焦る。
などの理由で誕生日を嫌う人もいるかもしれない。
それでも、1年間泳ぎ続けて疲弊し、人によっては息継ぎも出来ず苦しんできた。そんな人達に誕生日だけでも手を取り伝えたい。
誕生日おめでとう。
生きるを続けて偉い。
いつも本当にお疲れ様。
今日くらいは泳ぐを止めて浮かれよう。
てんとう虫が飛んでばかりでなく、何かに止まって高い所へ上り、高い位置からまた飛び立つように、
今日君が止まることは、明日からの飛躍になるから。
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