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#75 町田ゼルビアにみる強いチームを作るすべ(2024/04/28)

サッカーJリーグ、9節終了時に首位をキープしている町田ゼルビア。
昨年J2を圧倒的な強さで制し、J1の舞台でもその勢いが続いています。

なぜこれほどまでに強いのか、監督と社長の組織の作り方の観点を中心に考えてみます。

〇J2から上がった町田の強さ

基本的な戦い方は勝利から逆算した現実的なサッカーで、いわゆる堅守速攻。
ハードワークと球際の厳しさを活かしたボール奪取からのスピード感のあるカウンターや、ロングスローを含めたロングボールを多用したシンプルな攻撃がストロングポイントです。

相手のプレスに慌ててやみくもに蹴るのではなく、相手の嫌がるところに蹴るといった狙いのあるプレーをチーム全体が共通認識を持って出来ているところに強さがあるのだと思います。

「全員が、当たり前のことを当たり前にやれるところが町田の強みかなと思います。試合だけでなく、日々の練習にすべてが詰まっています。練習からみんなが突き詰めて、全ての練習に100%で取り組めているから、これだけの結果を残せる。日々の積み重ねがあるからこそ、選手たちは何も疑わず、自信をもってやれている」

柴戸選手のインタビュー

選手の発言からも、日々の練習からチーム全体の共有力の高さに自信を持っていることが窺えます

〇黒田監督の言語化力

決してタレント軍団とは言えない町田の強さの要因の一つは間違いなく黒田監督の言語化力です。

青森山田高校を28年間指揮し、全国高等学校サッカー選手権大会で3度の優勝に導いた指導力はプロリーグでも十分に通用するどころか、むしろ圧倒的なレベルと言えます。

勝利から逆算したプレー一つ一つの原理原則を言語化し、細部へのこだわりを徹底する行動規範としてチームに落とし込むだけでなく、チームの勝利に貢献できない選手は浮いてしまうような雰囲気作りをされています。

まさにチーム一丸というのに相応しい組織の構築について、様々なメディアでも語られていますが、個人的には黒田監督とレオ・ザ・フットボールさんとの対談がとても面白いので、ぜひご覧いただきたいです。
お二人の言語化力のすごさがわかります!!

この対談でも触れられている、「クロス対応時に相手をへそで見る守備」の解説はものすごく解像度高くて、社会人サッカーチームでディフェンダーとしてプレーしている私にとっては一番参考になりました。

こちらのnoteでリーダーに必要な言語化力について触れていますが、黒田監督こそ言語化力の鬼のようなリーダーです。

また、レオ・ザ・フットボールさん著書「蹴球学」も、サッカーにおける原理原則が言語されており非常に面白いのでオススメです。

〇社長のやりたい気持ち

町田の強さを語る時に黒田監督の指導力が注目されがちですが、組織の強さに大きな影響を与えるのはトップの存在でしょう。

町田のトップである、サイバーエージェントの社長藤田晋さんはサッカー好きで知られており、多忙な中でもゼルビアの試合は全て見ているそうです。

Jリーグやヨーロッパリーグを見渡せば、いくら監督が優秀でも勝てないチームは沢山あります。サッカーチームは監督と選手だけで成立するわけではなく、スポーツディレクターやGMなど組織の管理をする人もいれば、コーチやチームを支えるスタッフなど様々な人が関わります。

監督が補強に挙げた選手ではなく、全然別の選手を獲得してきまうという話はよくあります。
要は監督と選手以外の関係者含めて組織が一つにまとまっていることが重要なのです。

そのためにトップである藤田晋さんが「社長の私欲」で町田ゼルビアを勝てるチームにしようとコミットされていることも、町田の強さの大きな要因です。

改革を成功させるには「社長の私欲で訴えよう」というのは、電通で残業60%減、成果はアップを実現した小柳さんの著書「鬼時短」で詳細に解説されているのでご参考まで。


ということで、私の最近のホットなテーマである「言語化」と「鬼時短」から町田ゼルビアの強さを説明させていただきました。

ぜひ、このまま勝利を勝ち進めていただきたいです!!
最後までお読みいただきありがとうございます。

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