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#82 「こうあるべきだけど難しい」という言い訳~解像度足りていますか?~(2024/05/12)

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

「こうあるべき」と周りの同意を得つつ「でも難しいんだよね」と現実から目を逸らし、考えているフリをするだけのマネージャーが人の時間を奪い、物事を停滞させる。

ということを感じる出来事があったので、なぜそのようなことが起きるのか、やるべきことは何なのかを考えてみます。

〇事件の背景

弊社は大手旅行会社向けの商品販売システムの受託開発を行っており、ありがたいことに沢山の案件のお話をいただいています。

私は商品販売システムのうちの一つのプロダクトのシステム観点でのマネジメント、開発チームのマネジメント、大小合わせて10程度の開発プロジェクトのマネジメント・開発、新規案件のプリセールス、若手の育成などやることが山盛りで今とっても大変です。。。

元々システム的なプロダクトマネージャーを務めていた方が、主力エンジニアと一緒に別のチームにアサインされ、残った仕事が全部回ってきた形です。
それらの仕事をうまく回るように運用・整理し、今何が足りていないかを可視化し、その部分を補填するメンバーの追加を上長に要請したところ事件が起きました。

この状況を作った側の一人である上長は人が不足していることは理解してくれました。しかし、毎週状況を確認しても「他のチームも人がいなくて困っていて。。。でも、前向きに検討は進めているよ。」という歯切れの悪い回答が続きます。

また、私のチームの状況を確認したいと上長やその上の部長がMTGを設定し「こへいさんのチームに人を追加するべきだけど難しいんだよね。何かいい方法はない?こへいさんのメンバーのこの人を動かせない?」などと、各メンバーがいつどの案件にアサインされているか、どの案件に人がアサインされていないかを見える化したドキュメントを共有しているのにわざわざ口頭で確認するという「考えていますアピール」に突き合わされたりと。。。

こうなったらいいなという理想を描くのは大切です。
しかし、理想的な良い状態と現状のギャップを認知しどう埋めていくかを考えていくしかないのですがね。。。

〇改善したい欲求の強さの違い

ダラダラと愚痴っぽくなってしまいましたが、なぜこのような状況になるのかを考えてみました。

まず私も上長も現状を改善したいという欲求があることは同様です。ですが、上長は「状態を良くしたい」私は「状況が悪くなる構造を改善したい」という欲求の強さや深さに差があるようでした。

私はプロダクトに関わる状況を可視化し、チームに欠けている要素から逆算してメンバー追加の要請をしたり、チームメンバーの育成や属人化した仕事のやり方を改善して仕事の分散を図ったりと、構造的な改善に取り組んでいます。
この苦しい状況を改善し、良い状況を継続させたいからです。

そういった欲求の差によって、今起きている事象をより解像度高く理解し、具体的な改善方法を考えようとするかどうかの違いが生まれるのではと感じました。

〇責任・認知の範囲、許容可能な負荷の違い

散々上司への愚痴を連ねていますが、私の上司は決して仕事が出来ない人ではありません。いくつもの困難なプロジェクトを成功に導いた凄腕です。

ただし、上の役職の人は大量の雑務などに忙殺されとても忙しいのです。目の前のやることが多すぎて、とにかく捌くことに追われているように見えます。
また、多くの責任を担っているため、今起きている様々な事象ごとに深く認知することが許容可能な範囲を超えてしまい、今の仕事のやり方が良くないとはわかっているがどう改善するかという発想が出来ないくらいに困ってしまっているのかなと。

この状況で、解像度が深い改善アクションを求めるのは酷です。。。

〇ワークする仕事・方法論を整える

文句ばっかり言っていても始まらないです。
現場の仕事を解像度高く理解し、仕事のムダを省き、より生産性の高い仕事の仕方をチームにインストールし、人員不足を補う方法を考え、整え、実践していくあるのみです。

弊社はまだまだ成熟していないので多くの仕事が属人化しています。
営業とエンジニアのコミュニケーション、見積もり、案件の管理、プロダクトの管理などなど、多岐に渡る業務の全体像を把握するだけでものすごい認知コストがかかる構造になっているところを解きほぐしていき、上長にも気持ち良く仕事していただける状態を目指しています。

最近はエンジニアへの依頼をテンプレート化し、認知コストの軽減、必要情報共有の不要なやりとりの削減、知見の蓄積を出来るようにするところから実現しています。
これからもガンガン改善を積み重ねていきます。



ということで、かなり愚痴っぽい内容になってしまいましたが、難しいことを難しいままに理解して改善していくしかないという大切な事実を改めて確認出来る事象の共有でした。

大事なことってたいてい面倒くさい。というやつですね。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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