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作業の質は、根拠の質。

k僕は、原料の栽培から一貫して行うワイナリーに勤めている。
農業ー製造・醸造ー販売ー接客・サービスまで行い
分野を跨いでいるため、作業の進め方において大切なのは、

作業をする理由、その根拠の質が作業の質に直結すること。
そして、その質が上がるほど、動き方はシンプルになり、段取りが向上する。

今まで、作業スピードを上げるためには
手元の動きを早くして、効率をあげた方がいいと
漠然とした考えだった自分にとって、大事な気づきだった。

動きの質は、根拠の質で決まる。

その動き方(作業の仕方)を考える際に、鍵となるのは、“根拠”だ。

人から、「どうして、その作業(動き)が必要なの?」と聞かれた時
適切な根拠が話せる(説明)できること。
もし話せない、自問自答し口に出す時、
上手く説明できな場合は、その作業を行う根拠を見直してみる。

動き方そのものへのブラッシュアップが、
作業効率(スピード)を上げるのではなく、
行動の根拠をブラッシュアップする事が、
行動のブラッシュアップに繋がり
最終的に、効率よく作業を進められることに繋がる。

むらを減らす。

手元の動きを早くすることは大事だが、
ここに意識が集中すると、日によって効率性のむらが出る。

体の動きを早くすることは、
体のコンディションや周囲のちょっとした状況変化に影響を受けやすい。
また、動きを早くするという物理的なアプローチ、
体力勝負一点張りだと、消耗戦になり、疲れるとミスも起きやすい。

そこで、動きをシンプルにする方法として、
出戻り数を数を少なくすることを意識している。

1~10の作業工程があった時、
きちんと1~10に順番に進めるように出戻りをなくしていく。
そのために、目の前の作業の根拠を考える際、
作業内容に加えて目的(根拠)に着目することで
他の作業を鑑みた上で、次のステップに繋がるような作業が生まれる。

目の前の作業は目の前の作業だけにあらず、
ゴールから逆算してから
動き出すことがトントン拍子に作業を進められる。

また、作業のやり方を固定、改善、固定と繰り返していくことも大切。
(それっぽく言うと、PDCAを常に意識するということ。)

作業のやり方を固定する。
言い換えると、作業のマニュアルを作ること。

ただ、マニュアルといっても
資料に落とし込む場合もあれば、
商品のラベルの貼り方やダンボールの置き方など
わざわざ、マニュアルにしていたらキリがない作業もあるので
あえて、ここでは作業のやり方を固定するという言い方に留めている。

別の言い方をすると、むやみに作業方法を決めないこと。

ダンボールを置く際、
一旦、「〇〇だから、こうしてみよう。」と1つのやり方を試してみる。
そのあと、また別のやり方を試してみて、
どの動きが効率良さそうかを比べてみる。

単純に、1つ目、2つ目、3つ目と複数のパターンを試して、
良いやり方が見つけられそうだったら、それに固定化してしまう。

どうしてその方法でやっているのか
根拠なしに物の配置や動き方を1つ1つ決めると改善の質も上がる。

動きをとにかく、シンプルにすること。

手慣れた梱包作業やモノづくりの現場をみると
作業の効率の良し悪しは、手早さが印象的かもしれない。

しかし、
第一次産業から三次産業まで横断するワイナリーで働いていて、
共通点としてあげられるのは、

動きをシンプルにする、
つまり、突き詰めらた洗練さがあるからこそ
結果的に手早さが生まれるのだ。

それは言い換えると、むだを減らしていくこと。
適切な根拠のある動きは、足し算より引き算を中心に
本当に必要な動きだけが、残っていく。
それが、結果的に効率性やスピードを上げる。

客観的に見ると早い動きも
その裏には、何度も試行錯誤をして考え続けて、
改善を積み重ねて出来上がったもの。
だからこそ、作業の質は、根拠の質から生まれるのだ。

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