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UVERworld とはバンドを超えた「生き方」だ

2019年12月19, 20日の2日間,UVERworld が東京ドーム公演を行った.
2日目の男性限定ライブ「男祭り」では,45,000人の男性が東京ドームを埋め尽くした.

今年で結成20年目を迎えたUVERworld.
多くの男がなぜこれほどまでにUVERworld に魅了されているのかを,10年以上にわたりUVERworld を応援している僕なりに考えてみた.

UVERworld という「生き方」がある

UVERworld が多くの人を魅了するのは彼らの作る楽曲や放つ言葉を超えて,その生き方に深く共感するからだと僕は考える.
この点について,UVERworld がこれまで作ってきた「音楽」とライブで放たれた「言葉」やそれらに重みをもたせている「行動」を取り上げてみる.

UVERworld の紡ぐ「音楽」

UVERworld はいわゆる「ロックバンド」とは一線を画す.

そのメロディーは,ロックのみならずR&Bやヒップホップなどジャンルの垣根を超える.その音がバンドによる生音か打ち込みか,という区別すら意味をなさない.

その歌詞は,デビュー当時からずっと変わらずポジティブだ.しかし,ただ明るいだけではなくその歌詞の中に強い情熱深い優しさが込められている.

いくつか曲を例に上げる.ライブで観るべきバンドなので,なるべくライブ映像 (公式によるアップロード)を載せた.

音楽に込められた「強い情熱」

ナノ・セカンド (2013年)

その幻想のままで終わって行って 良いわけないだろう
伴う傷厭わず 恐れを木っ端微塵


PRAYING RUN
(2015年)

努力をせずに夢が叶った人と 努力をしても叶わなかった人
たとえ僕は叶わない人だとしても この足を止めはしないだろう
いつか誰もが驚くような奇跡が この身に起きたとしても
きっと僕だけは驚きはしないだろう 起こるべき奇跡が起きただけさ


AFTER LIFE (2019年)

今お前の周り 集まる人だかり 全てが離れていってしまった日も
俺だけ隣で寄り添う そんな未来は保証するぞ
Oh, stand by me
俺達はきっと宇宙で この身を燃やしながら
流星群からはぐれてった孤独な彗星のよう

Fight For Liberty (2013年)

人生が二度あるなら こんな険しい道は選ばないだろう
でもこの一回 たった一回しかチャンスが無いのなら
何もかも諦めていくつもりは無い


Touch off
(2019年)

わずか数センチだって 願った場所に向かって
進んで行く 止まるなんて no, no, no...


No.1
(2010年)

本気の瞬間に 口にも出せないような夢は
力なく消えていった You ready もう嫌なんだ
言えずにやれずに終わってくなんて

音楽に込められた「深い優しさ

7日目の決意 (2014年)

もう今日からは 死ぬ以上の悲しみは
ここに無いと思って生きていくよ ならもう何も怖くない
誰がどう言おうと構わない 強く生きぬくよ


一滴の影響 (2017年)

ずるい奴が笑う世界
そう言いながら物事が ゆっくりでも良い方向に進むと信じ 今日も
正しく生きようとする君は素敵だよ そんな自分を君も愛してあげてよ


THE OVER (2012年)

年をとり日経って 言葉さえ失って
二人過ごした日々を君が忘れてしまった時も
変わらず手を握りしめ 変わって行く君を支えて
最後まで心で対話して 守り優しさを与えていくよ


ほんの少し (2017年)

僕が生まれた日も 誰かが死んでしまったように
僕が死んでいく日も 誰かがまた生まれるから 寂しい日なんかじゃないよ
でも君が死ぬ日は 世界中悲しんでほしいんだよ
君がこの世にいない そんな悲しみは 僕1人の涙じゃ とても足りないよ

ライブの重要性

UVERworld は間違いなくライブバンドだ.

ライブをフェスも合わせて年間60回以上やっている (2018, 19年は回数を減らすと宣言し半分程度に).
特に年末はハードなスケジュールをこなしている.2013-19年において毎年12月は10公演以上を行っている.セットリストは多いときに実に,27曲程度披露する.
UVERworld が毎年シングルを,3年に1回程度アルバムをリリースしているにも関わらず大量のライブ公演をしているのはUVERworld が生の演奏パフォーマンスに重きを置く,本物のライブバンドであることを示している.


また,近年のUVERworld の楽曲はいわゆる打ち込みの曲が多い.個人的には2015年あたりから増えてきた印象である.
打ち込みの多いの楽曲はライブでのパフォーマンスを困難にさせる印象だが,UVERworld のライブでは,打ち込みの多い楽曲も生演奏にアレンジされバンバン披露される.
楽曲を構成する音が,打ち込みが多すぎてもライブでの表現がとても困難だし,バンドの割合が多すぎると過去の楽曲との差分が出しづらい.ここはかなり試行錯誤している点だと考える.
以下にいくつか,打ち込みメインの曲をライブで披露した動画を挙げる.

I LOVE THE WORLD (2015年)

ODD FUTURE (2018年)

Making it Drive (2019年)

これらの楽曲を始めとして,打ち込みをメインの楽曲でもライブでは楽曲が自然に表現されている.
打ち込みの比重が大きい楽曲でも,ライブで披露することが前提で作られていると考えていいだろう.

ライブでこのようなクオリティの高いパフォーマンスを披露できるのもメンバー間が幼馴染で強い絆で結ばれていることも起因しているだろう.メンバー全員の誕生日には必ずライブを行い,その日に誕生日のメンバーがセットリストを決めることになっている.

Vo. TAKUYA∞ の「言葉」

UVERworld のライブにおいて,ヴォーカル TAKUYA∞のMCでの言葉は欠かせないものとなっている.
男祭りでは,TAKUYA∞の熱い言葉にいい年の男たちが泣きまくる
以下に僕の好きなMCをいくつか挙げる.

KING'S PARADE 男祭り FINAL (2019年12月20日) にて

みんなももっとやりたいことをやればいいんだよ! それが合ってようが間違ってようが、もっと愛したいものを愛せばいいんだよ! 後悔のない生き方を!それが合ってようが間違ってようがもっと愛したいものを愛せばいいんだよ!後悔のない生き方を!
最後にこれだけは言わせてほしい。俺たちにとってバンドは遊びじゃねえ! 音楽はビジネスじゃねえ! 俺たちにとってUVERworldはすべてだ!
そのすべてがいつかあなたたちの人生の一部になるように、いい曲を書き続けるよ!

KING'S PARADE 2017 (2017年2月11日) にて

離れたところから否定してくる奴の言葉なんて耳を傾けずに、お前がやりたいことお前が幸せになって一緒に喜んでくれる人の言葉を聞け、そしてその人数を数えろ。そしてお前たちを嫌いなやつの人数なんて数えて生きるな。
少なくともお前らがまっすぐ生きて、やりたいことやって喜ぶ人間がここには6人いるからな。
そして俺たちはここには23,000人いるってことを信じてこれからも音楽作っていくよ!

Premium Live on X'mas 2015 (2015年12月25日) にて

若い頃の10代や20代の貧しい環境や、うまくいかなかったこと.
そこでお前らの人生は絶対に決まらないからね。
ともに好きなものを見つけていきましょう。
好きなものを見つけてやりたいことをやっていこうよ。
好きなものを毎日やりながら、大好きなもののために悩んで、大好きなもののために挫折して、正しく悲しんで泣いて、俺毎日幸せだよ!
どうかそんな素敵なお互いであり続けましょう。

TAKUYA∞の放つ言葉は真剣に生きている人には刺さりまくる.
さらに,TAKUYA∞は言葉を放つだけではなく,日々の生活で以下に示すストイックな生き様を見せており,放つ言葉に重みを持たせているからこそ,その言葉が深く響く.

1. 食生活
グルテン・カフェインフリー食,禁煙,禁酒 (年に3度まで飲酒可)というルールを課して喉の健康を守っている.

2. 運動
毎日10km のランニングを欠かさずに行っており,ブログに記録が載せられる.完走タイムは毎回45分程度だ.このランがPRAYING RUN という楽曲を生んだ.
KING'S PARADE 男祭り FINAL (2019年12月20日) でのランニングではファンたち1,200人とともに10km 完走した.
また,2017年にはランニングで最も速いタイムを出したファンと交流した.

3. 音楽作り
UVERworld の楽曲は数曲を除き,ほとんどTAKUYA∞が作詞作曲を手掛けている.そのため,ピアノやギター,打ち込みのためのプログラミングなどほとんどの音作りに精通している.歌詞はTAKUYA∞の独特の言葉遣いが反映されている.

毎日のランニングや食生活はすべて「ライブで最高のパフォーマンスをするため」と本人も語っている通り,UVERworld のライブは年60回以上行っているにもかかわらず,1回1回のライブでのパフォーマンスのクオリティは高く維持されている.

UVERworld は本気で生きる人間を応援している

9年かけて成し遂げた東京ドームでの男祭りから,UVERworldの持つ圧倒的な継続の力を見せつけられる.これは,UVERworld が老若男女問わない楽曲をリリースしているにもかかわらず女性ファンが大半を占めることによる,男性ファンにも認められたいという反骨精神が大きなモチベーションになっている.
また,リリースする楽曲のジャンルを見て分かる通り,ロックにこだわらず結成20年が経った現在でも,貪欲に様々な音楽のジャンルを垣根なく開拓し続けている.加えて,ここにUVERworld の持つメッセージ性の強い歌詞が載る.
TAKUYA∞の私生活には,ライブパフォーマンス向上のための多くの工夫や努力がある.TAKUYA∞の行動には「UVERworld が自分のすべて」であるという強い意思が感じ取られる.
このような行動がUVERworld (主にTAKUYA∞)が放つ「やりたいことをやろう」「まっすぐ生きよう」「俺たちにとってUVERworldはすべてだ」という言葉を裏付けている.
UVERworld は不器用ながらも日々を全力で生きている人を応援していると僕は考えている.

あとがき

10年以上溜まっていたUVERworld への愛を爆発させてしまいました.
ずっと抱いていた感情を言語化するのはとても苦労しましたが,どうにか書き切ることができました.
UVERworld には幾度となく救われていて,ライブに行くたび,リリースされた曲を聴くたび,自分を奮い立たせて今日まで頑張ってこれました.
母校である慶應義塾大学で三田祭前夜祭ライブが決定と発表されたときは嬉しすぎて感謝のファンレターも出したくらいです.
これからもUVERworld と共に生きて,ずっとファンでいようと思います.

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歌詞・画像の引用について

依頼した原稿の中に、ヒット曲の歌詞が引用されていました。このまま広報紙やホームページに掲載してもかまわないのでしょうか。

「その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」つまり、引用の仕方が上記に合致したものであれば、原作者の許可なしに引用することができるというものです。

タイトルの画像は『「東京ドーム2DAYS」開催決定記念画像』としてUVERworld が公式に画像のシェアを認めている.



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