国語のノート活性化
「どうやって勉強すればいいかわからない」
とよく言われるのが国語です。
先生によって答えは変わると思います。
よく本を読んだ方がいいと言われますが、
すぐに効果が実感できるものではありません。
ですから、
タイミングによっても答えは変わります。
受験間近の生徒に本を読めとは言ってられません。
他の科目も勉強しなければならないのだから、
問題演習を繰り返す方が効果は出るでしょう。
そんな中の、
国語の学習法のひとつを紹介します。
ノートをまとめて授業を脳内再生する、
という方法です。
まず、
私の担当しているクラスのノートを見てもらいましょう。
A4サイズ(見開きA3サイズ)の方眼ノートです。
もちろんこれは、優秀な生徒のノートです。
全員がここまで出来るわけではありませんが、
見やすくまとまっています。
このノートですが、
実は黒板には中段の部分しか書いていません。
上側の授業の要点も、
左側の重要語句も、
下側の丁寧なまとめも、
黒板には書いていません。
下側の丁寧なまとめは、
授業中、
教師が口頭で伝えたことなどを
メモしておき、
授業後に整えます。
左側の重要語句は、
授業中、
これは重要だとか、
意味がわからないとか、
思った言葉を赤で書き出し、
授業後に意味を書き足したり、
テスト前に赤シートなどでチェックします。
上側の授業の要点は、
授業後、
その1時間の授業を3つに要約し、
自分の言葉でまとめます。
ここを読めば、授業がざっと復習できます。
ノートをみて、授業を再生するという復習をすること。
慣れてくれば、
授業が終わった2、3分の後には、
大まかなところはまとめが終わり、
家に帰ってから、10分もあれば、
ノートまとめを終えるようになります。
ただ、これだけでは、
ノートを取るのが苦手な生徒は、
学びが深まらないので、
継続、向上する仕掛けをします。
①授業の初めに、前時のノートまとめを点検する。
②定期考査前に、クラス内のノートコンテストを開催する。
①は、まさに日々の積み重ねを認めるために行います。
黒板丸写しは、ほぼ全員できるようになるので、
その他の欄を書いているかをさっと巡視します。
点検する側が慣れれば、3分もかかりません。
②は、より良いノートまとめをするための共有が目的です。
指定した範囲の授業のノートの内から、
自分が最も自信のあるページに、
付箋を貼り、全員で回してチェックします。
「美しいノート」
「わかりやすいノート」
「アイデアノート」の3分野に分けて、
重複しない名前を書いて、投票します。
相互評価をするときに、
自分のノートまとめのヒントや、
授業の復習が出来る仕組みです。
集計結果に応じて、表彰、掲示をします。
投票という制度が、
モチベーションを高め、
良いノートを見せ合って共有できる、
という効果を生み、
ノートをまとめる習慣を継続させてくれます。
授業内容を改めてまとめ直す生徒もいれば、
授業内容について、
自分なりに調べた情報をまとめる生徒も現れました。
徐々に改良したのは、
表彰される子どもを増やすことです。
全クラスから表彰されたのが女子のみだったので、
男子から、
「男女別にしてほしい」と要望がありました。
更に、総合部門という、
合算して得票数が多い生徒を表彰するようにもしました。
そうすることで、
自分にもチャンスがあると思うことができて、
頑張る生徒が増えました。
Best Note Contestと命名したのですが、
「次のBNCはいつですか?」
と聞く生徒がいたり、
作戦を練ってまとめ方を変える生徒が現れたりと、
盛り上がっています。
今回のノートの取り方は、
高橋政史さんの
『頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』
に掲載されています。
私は運用し始めてまだ2年目ですが、
手応えを感じています。
他の教科のノートや、仕事で使えるノートの取り方など、
ノートの取り方、見方が変わる一冊です。
このノートの取り方は、
授業準備のノートとして、
教師が使うこともオススメです。
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