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子育て支援って何だろう? - 研究会報告-

先日、セミクローズドで実施している小さな研究会を久々に対面の形態で開催しました(対面とオンラインとの同時並行で)。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

会のテーマは、
「子どもを理解する~子どもの育ちとその支援~」として、
前職で一緒に働いていた精神科医の先生にお話していただきました。
乳幼児の子どもの発達過程やそのための支援について、
母子手帳の読み解きや育てる親の不安などなど…。
先生ご自身の子育て体験からの具体的なエピソードも交えて
お話いただきました。

今回初めて知ったことがいくつかありました。
①母子手帳について:戦時下で出生数の把握を目的に作成され発展したこと。
②家庭訪問型子育て支援「ホームスタート」について:未就学児のいる家庭に、研修を受けた子育て経験者(ボランティア)が訪問し、親と話したり育児家事をしたりする取り組みがあること(各自治体独自の産前産後支援事業もあります)。
③産後うつと自殺について:妊産婦の死因で自殺が最も多いこと(国立成育医療研究センター研究結果より)。

特に印象に残ったことも忘れないようにまとめておきます。


①子育ては、もれなくしんどい!
(もちろん喜びも幸せもあるけれど)
②だからこそ、まずは親が支援を受けることが大事!
(私が弱いから、足りないからと自分を責めなくていい)
③楽しんじゃいけないなんてことはない!
(対立や孤立を防ぐために必要)

今回は、特に産後一か月から一歳までの子どもの発達の特徴について学びました。併せて、その時々に出てくる親の戸惑いや悩みなども語り合いました。


講義やディスカッションを通して、私の中で浮かび上がってきた疑問がありました。

・「親」「母」という個の責に閉じ込めがちな社会や空気があるから、
支援を受ける側も届ける側も、ためらいや回避が起きやすいのでは?

・支援が必要な人に必要な時に、身近で役に立つ情報やサービスを届けるにはどうしたらいいのだろうか?

オールマイティな支援者・支援機関はないし、なれないのです。
子育てが一人で完結する営みでないのと同じように。
だからこそ、
今回のように様々な職種が様々な立ち位置で
情報や体験を語り合い共有することが大切であると感じました。
参加メンバーは子育てや子育て支援の経験者だけでなく、
未婚者や学生もみえましたし、
心理職、教職、リハビリ職、事務職などの
様々な働き方をしている方々がみえました。
小集団で顔を合わせて相談できる研究会の存在は、
支援の層について実感を持って確認できるという点でも
意義深いものだと改めて思いました。

自治体や医療機関だけでなく、
友達や職場の先輩がキーパーソンになることだってあるでしょう。
発達の様相に合わせて喜びやつまずきがあること、
でもそこに得られる支援もあること。
そのことが、
親(養育者)にも支援者にも見えなくなってしまうことがないように、
子育て支援について、今後も考え続け、発信もしていきたいと思います。

(20210323記載)


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