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旅と読書 

旅先に向かう電車の中での読書、これは私が大好きなことの一つです。

電車でどの本を読もうかなと持参する本を選ぶのも楽しみです。電車の中での読書は、旅先へ行く高揚感や開放感が本の世界に、いや自分自身の空想の世界へと、気もちよく導いてくれるのでいつも以上にわくわくするのかもしれません。車窓からの見慣れない風景も同様に、本の世界に浸ることを促してくれているように感じることが度々あります。そしてこの読書もまた、その後の旅で心がナチュラルに動くように導いてくれているのかもしれません。

この頃は旅に出かけることができないので、家での読書ばかりです。少し寂しいけれど、本の世界に入ることの楽しさは変わりません。特に仕事が一段落した後の休日の読書は、いつもより感性が豊かに動くような気がします。

先日読んだのは、『空から森が降ってくる』という小手鞠るいさんの作品です。その作品の一文を、以下に引用しますね。

「薪も読書も旅も三度、人をあたためてくれるのではないか」

先ほど私が書いたような気もちをぴたりと言い表す一文を見つけて、「そうそう!」と嬉しく感じました。旅に出る前からその道中、そして旅から帰った後の余韻まで。確かに人はあたためられているのかもしれません。この一文を読んで、薪もくべていないし、旅にも出ていないけれど(笑)、いつもの部屋のいつもの椅子に座っていて、私は満たされる感じがしました。こういう一文に出会い、物想いにふける時間は、私にとって大事な休息となります。


とても暑い夏ですし、なかなか遠出はできない日々が続きそうです。皆さんはどのように休日をお過ごしでしょうか。今回は私の読書体験を書いてみました。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

(引用文献:「空から森が降ってくる」 小手鞠るい 平凡社 2019)

(20210810記載)

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